文献紹介シート オレオレ詐欺研究室 2007年度版 作成日:6月7日   紹介者 粉砕!玉砕!大喝采ー! ・文献情報 [1]加藤洋介,人間適応型システムのためのロボット操作特性の考察及びGUIの開発,2004年度 東京電気大学大学院工学研究科 修士論文. http://www.d.dendai.ac.jp/GuraduateSchool/2004-Final-Presentaion/MasterTheses/03gmd06.pdf ●文献の概略 ・研究の目的と課題  現在,ロボット分野における研究の主流として,自律移動・自律制御によるロボットが自己の判断に基いて作業を遂行するシステムが挙げられる.しかし,この研究分野は発展途上であり,実際は操作者による操作を必要とする作業は多数ある.そこで,操作者がシステム上に必要な場合,その習熟度によって作業結果が左右されないシステムを開発する必要がある. ・解決の方針と前提条件  この研究で開発を行うシステムは,HAM理論に基づいた複数台の脚型移動ロボットによる柔軟物遠隔搬送とする.ここで言うHAM理論とは,「操作者能力熟達に適応するメカトロクス」で,操作者が誰であってもシステムの最高機能を実現するため,操作者自身もまた一つの制御器としてシステム全体を構築する事を目的としている.  使用するロボットは4脚移動ロボットのTITAN [で,前方にCCDカメラを搭載している.このCCDカメラから得られた画面を見ながら,ジョイステイックにより操作を行う. ・提案・適応した手法 操作者の習熟度によって作業結果が左右されないシステムを開発する上で,操作者の習熟度を検出する必要がある. この習熟度検出を利用して,人が経験によって操作に慣れる点を生成し,フィードバック制御からフィードフォワード制御へと移行する. ・実験及び検証の方法 簡易なタスクから人間の運動制御モデルの構築を行い,ロボット操作時の習熟度検出について検証を行う.簡易タスクでは,TITAN上に設置したプレートにボールを乗せ,TITANを遠隔操作することで,ボールをプレート中央に寄せる操作を行わせる. ・評価・結論 構築した人間の運動制御モデルは人間の特性を出来る限り表現可能とし,また制御対象によらない柔軟性を持たせることができた. ・キーワード ロボット操作,習熟度 ●紹介者による要約 ロボットを制御する上で操作者が必要な場合,その習熟度によって作業結果が左右されないシステムを開発する必要がある.そこで,操作者の習熟度検出をして操作に慣れる点を生成し,その点で制御内容を移行するシステムを作成した.これにより,操作者のロボット操作習熟度によって作業結果が左右されないシステムを開発した. ●紹介者の所見 この論文では,ロボット操作時のGUIについても論じられていたが,今回はロボット操作のシステムについて注目した.ロボット操作の習熟度に応じて制御内容を変更する事により,操作者は段階的に操作方法を取得でき,一度に覚える手間を軽減する事ができると思う.このシステムでは複数台の移動ロボットを操作対象としているため,入力操作と各動作の対応付けの考察も必要であると感じた.