《バカとテストと召喚獣》第一問『集いしバカたち』 5:4:0 【登場人物】 吉井明久(よしいあきひさ):     高校生男子。この物語の主人公で頭の金もない。でもなんとなくモテてる。 坂本雄二(さかもとゆうじ):     高校生男子。Fクラスの代表でかなりの策士だが所詮Fクラスのバカ。     明久の悪友。 姫路瑞希(ひめじみずき):     高校生女子。学年2位の成績の持ち主なのだか体調不良でFクラスに入ってしまう     『萌え』のツボをしっかり押さえた。かわいい女の子。 福原先生(ふくはら):      Fクラス担任男性:あんまりやる気の感じられない教師。寝癖のついた髪に      ヨレヨレのシャツ、貧相な体のオジサン。 木下秀吉(きのしたひでよし):      高校生男子(?)。どうみても女の子。本人は意識してないらしいが・・・      演劇部に所属しているためか喋りかたが少しおかしい。双子の姉がいます。 土屋康太(つちやこうた):      通称「ムッツリーニ」。バカだが保健体育だけズバ抜けて成績がいいとだけ      いえば、このキャラの性質がわかってもらえるかと。今回、キャラ無視。 西村先生:生徒指導部教師男性。通称「鉄人」筋骨隆々で毎年トライアスロンに出場するほどの      典型的体育教師。 島田美波(しまだみなみ):      高校生女子。明久を殴ることが生きがいな女の子。      それでいいのか!?・・・でも、実は。 高橋先生:Aクラス担任女性。典型的インテリ教師。セリフ超少ない。 霧島翔子(きりしましょうこ):      高校生女子。Aクラス代表という事は、学年一位!      男性には見向きもしない雰囲気をかもし出す。木下とカブリで。 吉井♂: 坂本♂: 姫路♀: 福原先生♂: 木下と霧島♀: 土屋♂: 西村先生♂: 島田♀: 高橋先生♀: 福原先生:第一問。以下の問いに答えなさい。    <調理の為に火にかける鍋を製作する際、重量が軽いのでマグネシウムを 材料に選んだのだが、調理をはじめると問題が発生した。この時の問題点と マグネシウムの代わりに用いるべき金属合金の例をひとつ挙げなさい>。    姫路瑞希さんの答え。 姫路:問題点、マグネシウムは炎にかけると激しく酸素と反応する為危険であるという点。    合金の例、ジュラルミン。 福原先生:正解です。合金なので『鉄』ではダメという引っ掛け問題なのですが、姫路さんは引っ掛かり    ませんでしたね。    土屋康太くんの答え。 土屋:問題点、ガス代を払っていなかったこと。 福原先生:そこは問題じゃありません。    吉井明久くんの答え。 吉井:合金の例・・・未来合金。すごく強い。 福原先生:すごく強いと言われても・・・。 【OP】 吉井M:僕らがこの文月学園に入学してから二度目の春が訪れた。     校舎に続く坂道の両脇には新入生を迎えるための桜が咲き誇っている。     しかし、ボクはそんなことより今年一年を共に戦い抜いていく戦友と教室。     要するに新しいクラスのことで一杯になっていた。 姫路N:バカとテストと召喚獣!第一問『集いしバカたち』!! 西村先生:吉井、遅刻だぞ。 吉井:あ、鉄じ・・じゃなくって西村先生。おはようございます。 西村先生:今、鉄人って言わなかったか? 吉井:ははっ。気のせいですよ。 西村先生:ん?そうか? 吉井M:ふぅ、ヤバかった。危うく普通に「鉄人」って呼ぶところだった。     この先生は体育の西村先生。いわゆる典型的、真冬でもランニングの体育教師。     趣味のトライアスロンから「鉄人」と呼ばれている。 西村先生:それにしても、普通に「おはようございます」じゃないだろうが。 吉井:あ、すいません。えーっと・・・今年も肌が黒いですね。 西村先生:・・・お前には遅刻の謝罪よりも俺の肌の色の方が重要なのか? 吉井:そっちでしたか。すみません。 西村先生:まったくお前というヤツは・・・いくら罰を与えても全然懲りないな。 吉井:先生。僕、遅刻はあまりしてないですよ?    だいたい去年の担任だから、それは知ってるでしょう・・・。 西村先生:遅刻は、な。ほら、受け取れ。 吉井:封筒?あ、どーもです。    それにしても、どうしてこんな面倒なやり方でクラス編成を発表するんです?    こうやっていちいち全員に所属クラスを書いた紙を渡すなんて、    しかもご丁寧に一枚一枚封筒に入れてあるし。    掲示板とかで大きく張り出しちゃえばいいのに。 西村先生:普通はそうするんだけどなぁ。まぁ、ウチは世界的にも注目されている最先端の    システムを導入した試験校だからな。このやり方もその一環ってワケだ。 吉井:ふーん。そういうもんですかね。 吉井M:さぁ僕はAからFの、どのクラスになっているんだろう?少しドキドキする。     頭が良いクラスならA、悪いクラスならF。     つまり所属しているクラスで頭の良し悪しがわかってしまう、男のプライドにかけて     Fクラスだけは避けたい・・・。 西村先生:吉井。今だから言うがな。 吉井:はい、なんですか? 西村先生:俺はお前を去年一年見て、「もしかすると、吉井はバカなんじゃないか?」なんて疑いを    抱いていたんだ。 吉井:それは大いなる間違いですね。そんな誤解をしているようじゃ、更に「節穴(ふしあな)」なんて    あだ名つけられちゃいますよ? 西村先生:ああ、振り分け試験の結果を見て、先生は自分の間違いに気付いたよ。 吉井:そういってもらえると嬉しいです。うしょ、うんしょ・・・この封筒・・なかなか・・開かないな・・・。 西村先生:喜べ吉井、お前への疑いはなくなった。 吉井:ほえっ? 吉井M:やっと開いた封筒の中に入っている半分に折りたたまれた紙を開いた。     『吉井明久・・・・・・Fクラス』!? 西村先生:やっぱり、お前はバカだ! 吉井N:こうして僕の最低クラス生活が幕を開けた。 吉井:・・・なんだろう、このばかデカイ教室は。 吉井M:去年は殆ど来た事の無い3階に足を踏み入れると、まず目の前に現れたのは     通常の5倍はあろうかという教室だった・・・。 吉井:なんじゃ?ノートパソコンに個人エアコン、冷蔵庫にリクライニングシート・・・。    天井はガラス張りの開閉式、壁にはテレビでみたことあるような絵画?    これが噂のAクラスか? 高橋先生:皆さん、進級おめでとうございます。私はこの2年A組の担任「高橋洋子」です。      よろしくお願いします。      参考書や教科書などの学習資料はもとより、冷蔵庫の中身に関しても全て      学園が支給します。他にも何か必要なものがあれば遠慮することなく      なんでも申し出てください。 吉井:こ、紅茶?もう紅茶いれてるヤツがいる。 高橋先生:では、はじめにクラス代表を紹介します。霧島翔子さん。前に出てください。 霧島:・・・はい。 吉井:Aクラスのトップってことは2年生の成績トップ、霧島翔子か・・・。 霧島:・・・霧島翔子です。よろしくお願いします。 高橋先生:Aクラスの皆さん、これから一年間、霧島さんを代表にして協力し合い      研鑽(けんさん)を重ねてください。これから始まる『戦争』で、      どこにも負けないように。 吉井:おっと、こうしちゃいられない! 吉井M:いやぁ、初日から遅刻なんて皆に悪い印象もたれないかなぁ?     嫌なヤツとか、痛いやつとかいなきゃいいけど・・・。 吉井:すいませ〜ん、ちょっと遅れちゃいました♪ 坂本:早く座れ、このウジ虫野郎!! 吉井:はいっ!!? 坂本:聞こえないのか?あぁ? 吉井:・・・雄二、何やってんの? 吉井N:身長180センチくらいでボクサーやってそうなこのツンツン頭が     僕の悪友、坂本雄二だ。どうみても決して教師じゃない。 坂本:先生が遅れているらしいから、代わりに教壇に上がってみた。 吉井:先生の代わりって、雄二が?なんで? 坂本:一応このクラスの最高成績者だからな。 吉井:え?それじゃ、雄二がこのクラスの代表なの? 坂本:ああ、そうだ。これでこのクラスの全員が俺の兵隊だな! 吉井:おいおい。・・・ん?みんな、なんで床にすわって・・? 坂本:うむ、この教室にはイスはないようだ。 吉井:さすがFクラスだね。 福原先生:えーと、ちょっと通してもらえますかね? 吉井:だれ? 福原先生:それと席についてもらえますか?ホームルーム始めますので。 吉井M:どうも先生のようだ。 吉井:はい、わかりました。 坂本:うーっす。 吉井N:とりあえず僕と坂本はそのへんに座った。 福原先生:えー。おはようございます。2年F組担任の福原慎です。      よろしくお願いします。      あれ・・・チョークないんですね。じゃぁ書きません。 吉井:チョークもないのかよ。 福原先生:皆さん全員にちゃぶ台と座布団は支給されてますか?      不備があれば申し出てください。 土屋:せんせー、俺の座布団に綿がほとんど入ってないです。 福原先生:あー、はい。我慢してください。 吉井:先生、俺のちゃぶ台の脚が折れてます。 福原先生:木工用ボンドが支給されていますので、後で自分で直してください。 木下:先生、窓が割れていて風が寒いんですけど。 福原先生:わかりました。ビニール袋とセロハンテープの支給を申請しておきましょう。 吉井:なんじゃ?このボロさ加減わ・・・。 福原先生:必要なものがあれば極力自分で調達するようにしてください。      はい、それじゃ自己紹介でも始めましょうか。そうですね。      廊下側の人からお願いします。 木下:木下秀吉じゃ。演劇部に所属しておる。 吉井:ん?誰かと思えば秀吉じゃないか。 吉井M:独特の言葉遣いに小柄な体。肩にかかる程度の長さの髪をゆったりとしばったいでたち。     去年一年で見慣れた僕でも、ぱっとみると・・・いや、じっくり見ても女子と間違えそう。 木下:−と、ゆうわけじゃ。今年一年よろしく頼むぞい。 吉井M:か、カワイイーーぅおっと!騙されるな吉井明久!アイツは男なんだぞ! 土屋:・・・・土屋康太。 吉井M:去年から何度も自分に言い聞かせている言葉を繰り返しているうちに     次の生徒がたっていたっ!ってまた知り合いかい。     それにしても男ばっかだな、学力最低クラスともなると女子はほとんどいないの     だろうか? 島田:−です。海外育ちで、日本語は会話できるけど読み書きは苦手です。趣味はー。 吉井M:お、このクラスには珍しく女子の声だ。 島田:趣味は吉井明久を殴ることです☆ 吉井:誰だ!?恐ろしくピンポイントかつ危険な趣味を持つヤツは! 島田:はろはろ〜☆ 吉井:・・・あぅ。し、島田さん。 島田:吉井、今年もよろしくね。 吉井M:またしても知り合い。去年のクラスメイトで僕の天敵でもある島田美波さんだ。     うっわ〜。そろそろ俺の番かぁ?ここはやっぱ小粋なジョークをおりまぜて     明るい好青年をアピールしないと。・・・よし!! 吉井:コホン。えーっと、吉井明久です。気軽に『ダーリン』って呼んでくださいね♪ 男性全員:ダァァ〜〜〜リィ〜〜〜ン!! 吉井:−失礼、忘れてください。とにかくよろしくお願いします。 姫路:あの、遅れて、すいま、せん・・・。 全員(代表:坂本):え? 福原先生:丁度よかったです。今自己紹介をしているところなので姫路さんもよろしく      お願いします。 吉井M:肌は雪のように白く、背中まで届く柔らかそうな髪は、優しげな彼女の性格を     表しているようだ。保護欲をかきたてるような可憐な容姿は、男だらけの     Fクラスで異彩を放っている。でも、皆はその容姿を見て驚きの声をあげたんじゃない。 坂本:はいっ!質問です! 姫路:あ、は、はいっ。なんですか? 坂本:なんでここにいるんですか? 姫路:そ、その・・・。 吉井M:ここはバカの巣窟『Fクラス』。そんな中に学年二位の記録を持つ彼女が!? 姫路:振り分け試験の最中、高熱を出してしまいまして・・・。 坂本:あ〜それならしかたない。    そう言えば、俺も「熱」の問題が出たせいでFクラスに。 吉井:ああ、化学だろ?アレは難しかったな。 木下:ワシも弟が事故に遭ったと聞いて実力を出し切れなくて。 吉井:黙れ、お前双子の姉ちゃんしかいねぇだろが! 土屋:前の晩、彼女が寝かせてくれなくて。 吉井:はいはい。今年一番の大嘘をありがとう。 姫路:で、ではっ、よろしくお願いしますっ! 吉井M:よし!席も近いことだし、これは話しかけるチャンス!こういった些細なことから     ドラマがはじまり、やがて僕らは結ばれることになる。そう、この一言は     僕の幸せな結末へとつながる架け橋となる! 姫路:き、緊張しましたぁ〜・・・・。 吉井:あのさ、姫・・ 坂本:(かき消すように)姫路。 吉井M:ヒドイ!せっかくの僕の人生計画、    「クラスメイトから結婚まで〜君と出会えた春〜全654話」が開始2分で     エンドロールに!残り653話と58分は何を放送すればいいのさ!? 姫路:は、はいっ。何ですか?えーっと・・・。 坂本:坂本だ。坂本雄二。よろしく頼む。 姫路:あ、姫路です。よろしくお願いします。 坂本:ところで、姫路の体調は未だに悪いのか? 吉井:あ、それは僕も気になる。 姫路:よ、吉井君!? 坂本:吉井がブサイクですまん。 姫路:そ、そんな!目もパッチリしてるし、顔のラインも細くてキレイだし、    全然ブサイクなんかじゃないですよ!その、むしろ・・・。 坂本:そう言われると、確かに見てくれは悪くない顔をしてるかもしれないな。    俺の知人にも明久に興味を持ってるやつがいたような気もするし。 吉井:え?それは誰・・。 姫路:そ、それって誰ですかっ!? 坂本:たしか、久保・・・。 吉井M:久保?どこの久保さんだろう? 坂本:利光だったかな。 土屋N:久保利光。性別オス。 吉井:・・・・。 坂本:おい明久。声を殺してさめざめと泣くな。 吉井:もう僕、お婿にいけない・・・。 坂本:半分冗談だ。安心しろ。 吉井:え?残り半分は? 坂本:ところで姫路。体は大丈夫なのか? 姫路:あ、はい。もうすっかり平気です。 吉井:ねぇ雄二!残り半分は!? 福原先生:はいはい。そこの人達、静かにしてくださいね。 バキバキバキバキッ 木下:先生が叩いただけで教卓がゴミ屑に・・・。 福原先生:え〜・・・替えを用意してきます。少し待っていてください。 姫路:あはははは・・・。 【end】 西村先生:えーい、わしの出番はこれだけかい!? 吉井:鉄人・・げふっ!西村先生!先生の出番は後からバンバン!! 福原先生:西村先生は元気ですねぇ・・・。 坂本:おい、明久!教師の相手ばっかしてないでこの環境をなんとかせねば    いかんぞ!! 吉井:なんとかって言ったって・・・。 姫路:次回、バカとテストと召喚獣、第2問『宣戦布告!』!! 吉井:召喚獣ってなんですか? end