いつも通り・・・?

いや、今日は、違う。

−Goog bay−宍戸編

もう、卒業式が終わり、レギュラー+俺、のいつものメンバーが部室に揃った。

お別れ会が終わり、一段落したのだ。

俺「・・・」

本当なら、気楽に笑えたけど、このメンツも、中学で最後になる。

宍「長太郎、ほら、テメーもだ。激悲しい顔すんなよ」

俺「長太郎先輩、泣かなくったってまた来年一緒に活動できますって」

長「・・・そうですけど・・・でもっ」

・・・やっぱ、物足りなくなる・・・か。

もうコレ、ギャグやってる場合じゃねーだろって雰囲気が続く。

正直最初からこうなるのは作者にとってもオドロキだ。

宍戸風に言えば、激重い。

俺「あーあ、俺もはじめましてでいきなりさよーならか」

そんなこんなでメンバーも帰ったり、別の所行ったりして、長太郎と宍戸と3人になっていた。

憂鬱な表情浮かべていると、宍戸が頭をポン、と叩いてきた。

宍「正直、俺ら全員にとっても初めての女友達をここで2年間失うのは、結構寂しいんだぜ?」

レギュラーにとって、特別扱いをする女子は、嫌いだった。

でも突然転校してきた は、違う。

男だろうがカッコいいだとか、関係無し。

むしろ、跡部が焦らされるほど、美貌だとかに興味も示さず、

女子としては異例以外のなんでもなかった。

それに、自分の事は『俺』とか言うし、

跡部とは毎日プロレス状態。

でも、そんな男らしい だって、見た目は本当に普通の女子であって、

そこそこ人気はあった。

クラスじゃ女子に囲まれ、バレンタインにレギュラーに劣らずかなりの量ももらっていた。

でも、冷たく、冷静。

男子の友達は凄く多くて、

趣味も色々マニアック。(JOJOとか)

おまけにあの越前の幼馴染であって、手塚をも凌いでいたプレーヤーでもあった。

「テニスは、やめた」

本人はそう言ってたが、今は正直、分からない。

とりあえず、分かる事はいい奴だ。

たまに、毒舌だけど。

レギュラー全員、実際は の事を信頼し、

日吉や長太郎達2年生だって、年下の に敬語まで使っている。

特に、日吉のヤローは、絶対惚れてる。

しかし、 は疎すぎる。

恋愛だとか、興味の無い奴だから、好かれていようが気付かないのが本心だ。

俺「う・・・俺ってそんな感じだったんすか。でも、確かに俺にとっても、此処は大事な居場所です」

ちょっとはずかしめに、笑って見せた。

宍戸の初めてみる表情。ドキッとした。

そう。事実、宍戸もそんな男らしいマネに、惚れていた。

宍「女らしい表情、出来るようになったじゃねーか。おめーのそんな顔初めて見たぞ」

俺「そんな顔ってどんな顔すか。まぁいいけど。・・・」

しばらく黙り込んで、 はちょっと不機嫌な顔をした。

俺「で、長太郎先輩はさっきからニヤつき過ぎです。さっきの涙は何処に?

長「あっ・・・いや、あの・・・なんか2人揃っているのを見ると、和みます

宍・俺「「は???」」

長「えっと・・・お似合い、って奴でしょうか・・・すいません。じゃあ俺、他の所行ってきます!」

顔を真っ赤に、バタン、と慌てて部室を走り去っていった。

そして。

長「・・・先輩、最後のチャンスですよ」

長太郎はそのまま呟き、空を仰いだ。

・・・ダブルスパートナーである長太郎には、宍戸の想いなんて、分かっていたのだ。

俺「・・・ヘンなの。あー、俺も跡部のアホん所に行かねぇとな〜あーめんどくせ〜」

頭を掻きながら、「あーだりー」とだらしなくしている。

はたから見れば、かなり不自然な光景だ。

宍「なぁ」

俺「・・・何すか」

夕日に照らされた の肌は、一層白く見え、横顔も、成長途中の独特な大人っぽさがあった。

一歩、歩み寄った。

俺「ん?ん?タイマンっすか!?えっ!?」

訳が解らず、構える。

だがそのまま壁に追い詰められ、逃げられなくなった。

俺「うおっ!近い!近いっす!って、まずこの体勢どうにかしましょうよ!誰か来たら色々大変!

卒業式に先輩に襲われました☆テヘ・・・じゃ済まされない。

宍「・・・すまねぇ。お前、本っっ当鈍いな」

俺「・・・???ハイ?だからこの体せ・・・ん゛っ!!!」

手で口を塞がれ、言葉は途切れたが・・・

さすが南次郎仕込みの身体能力、って事で、手首をひねり、離した。

俺「だーかーら!!!ちょっと待てぇぇ!この形はハズいですから!用を言いましょう!用!」

宍「恥ずかしいなんて、思えるようになったんだな。本当、女子らしくなった」

俺「・・・///だっ・・・それはしゃーねーでしょう!って、さっきっから成長だの女らしいだの、頭おかしくなりました?

一方、部室外にはレギュラー陣が、こっそりソワソワしながら見守っていた。

岳「あ〜!鈍すぎるぞ 宍戸もなんか言ってやれよ!」

進展しない2人の様子に、岳人も焦れてるようだ。

忍「ホンマ疎すぎるわぁ・・・せっかく 譲ってやったんやから、行かんとアカンやろ」

岳人も、忍足も、実際惚れていた1人だ。

跡「・・・チッ、俺様には関係ねーだろ」

忍「言う割にはドキドキして見守ってるやんか」

跡「・・・・・・・・・・・・・・・」

跡部も、 を信頼していた。ただ、恋愛ではなく、正直言うと、 妹、そんな感じだった。

日「・・・もし、先輩がフラれたら、俺が さんを貰います。下剋上だ!

忍「ちゃっかり唯一の名ゼリフ言うな。ってか後輩にさん付けで、どー言う事やねん」

すると、頬を赤らめながら、日吉は言った。

日「あの人は、俺の憧れです。人間らしさも、テニスの腕も、だからこそ初めて本気になった。宍戸先輩に取られるなんて、ハッキリ言って侵害です」

忍「先輩への尊敬度はゼロなのに不思議やな。ってか、お前が恋とか意外やわ」

日「先輩達こそ本気になった人はいないでしょう」

全「「・・・・・・・・・・・・・」」

めずらしく長ったらしく喋る日吉は、フッと笑い、言った。

日「結局なんだかんだ言って、全員マネージャーを信頼して好きになってた。不思議ですよ」

そして。

宍「・・・べ・・・別に頭なんざおかしくねぇよ、おめぇのせいだ」

俺「・・・は?せんぱーい、人のせいにするのはよくないとおもいまーす

迫られても手を上げて、いつものギャグペースに戻る

宍「はぁ・・・ったく、それがお前らしくていいんだけどよ」

俺「??あの・・・いい加減言って下さいよ。何が言いたいんですか?」

宍「卒業前でベタとは思うが、お前のその男らしい所も、時々女らしくなる所も、ふざけ具合も・・・」

そして、一回深呼吸して、改めて言った。

宍「・・・全部含めて、好きだ」

俺「・・・・・・・・・・・・・・」

宍「・・・・・・・・・・・・・・」

一瞬の沈黙。

岳「・・・(ドキドキ)」←一番マジメに応援してますね。いい子です。

忍「・・・(返事はどうなんや!!?)」←本当他人の事情に漬け込むの好きですね。

跡「・・・(言ってくれんじゃねーか)」←おやおや、奪うつもりですか?

日「・・・(下剋上!)」←まだ言うんかい!

ジ「・・・(俺は に彼氏なんて認めないもーん!!)」←お父さーん?

長「・・・(宍戸さん!ファイト!)」←結局宍戸さんなんだ。

樺「・・・(ウス)」←何に対して?

滝「・・・(面白いね)」←黒いです

一瞬の間に、こんなに色々すぎる感情が交差したが、

は驚いて口をぽかんと開け・・・

俺「・・・な・・・なんですとォォォォオ!!!?」

真っ赤。目の前には宍戸の顔がまん前にある。

男らしい割に、綺麗な顔立ち。

熱血のくせに、爽やかで、ピュア。

じっと見つめあ・・・っていうか睨み合い?になったが、

少し考えると「ププ・・・」と が吹き出した。

俺「せんぱーい、そりゃねぇすよ・・・本気でソレ言われちゃ、俺どうすりゃいいか分からねーす」

明るく言っているが、顔はほんのり、ピンクに染まっていた。

俺「でもま、俺もこんな事でドキドキしてるし、好きなんでしょうね」

分からない。

恋愛だとか、本当に知らない。

でもきっと、今こうやってキュン、としているのが、きっとそうだろう。

宍「・・・そのうち、気持ちがどうなのか、わかってくる。焦らなくても、俺がいる」

壁から解放すると、そのまま・・・


ギュッ・・・


俺「痛いっす・・・卒業、おめでとうございます」

卒業の寂しさに、頬を涙でぬらし、

呟いてみせた。

宍「自覚してくれるまで、何度でも言うからな」




         ”好き”




・・・・・・・・


そして、二年と を残し、3年達は、高等部に進学した。

俺「みんな、さよーなら」

涙は、なかった。

俺「先輩、なってやりますよ。立派な女の人。」




また一歩、大人になっていく。








 ...




・・・・・・・・・・・・・・

ワァオ!

ヒューヒューとなって書いて見たまたまた恋愛。

ピュアで不器用な宍戸さんが好きな思いから出来上がりました。

だって・・・!!

宍戸好きなんだもん!!!

折角卒業の季節なので、氷帝卒業シリーズにします。

第一弾が宍戸!

ヒャッホウ☆(壊)

見守るレギュラー達はみんないい人です。

駄文ですいませんでした。

最後に。

氷帝☆宍戸最高!!!

失礼。

2008.3.2 UP miha.