『card is jewel』0巡目。  東京のネオン街。 暗闇に生える赤、淡く優しく、しかし力強い青、明るく光る黄色、優しく光る緑。 様々なネオンが文字を浮かび上がらせたり、図形を作り上げて店を飾っている。 まるで、ラスベガスのカジノの様。 今宵、人々はどのように過ごすのだろうか。 この美しい夜景を、ビルのレストランから眺めるカップルが居るかもしれない。 傍の道路をバイクや車で走りながら横目に見ていく者もいるだろう。 優しい物や、明るく眩しい物。人が様々であるように、ネオンの明かりも様々なのだ。  そんな、人々の心に愉しみを齎すネオンライトの光の中に一軒、ひっそりとしたカジノがあった。 名前は『Nyx』 壁は真っ黒な煉瓦の積み重ねで出来ている。 上の方には同じように真っ黒な屋根。その内側には白いだけのライトが壁に向かって光を浴びせている。 そのせいで壁には茶色い蛾がへばり付き、羽蟻の様な虫が集っている。 扉も扉で真黒。木の扉に真っ黒い塗装が施され、鉄に灰色の塗装が施されただけのドアノブが粗末についている。 しかも、夜になっても『休業中』の札が垂れ下げられている。 だが、不思議な事にこの建物の中からは物音がするらしい。 そのせいで誰かが住んでいるのではないか。そんな憶測が立てられたり、ヤクザが何か悪い取引を行っているのではないか、だとか言われている。 勿論、そんなはずは無い。俺はそう思っている。  そんな建物の前に立っている俺。 何故、俺はそんな所に居るのか。理由は簡単である。 数日前、俺の元へ一通の手紙が届いた。 --------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- ---------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------  『Nyx』でゲーム大会を行います。 優勝すれば、多額の賞金が貴方に。 松下 政吾(マツモト セイゴ)様へ。 --------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- --------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- それだけが書かれた手紙。 実に疑わしい。実に不気味。 だが、俺はこのゲームに出なければならない理由がある。  務めていたバイトを首になってから、俺は麻雀にのめり込んでいた。 現在無職。日々の生活費は高レートの麻雀にかかっていた。 千点一万円。福沢諭吉が飛び交う中で俺は生活していた。 最初は連戦連勝だった。大量の金を手に入れ、その金で豪遊。女も一人作った。 だが、昨日来るべき日が来た。見事なまでの大敗を喫してしまったのだ。 そのせいで、財布の中にはもう数百円しか無い。 しかし、ギャンブルは止められない。 波に乗っていた日は常に麻雀の事ばかりを考えていた。 携帯を弄る時も麻雀のアプリを起動し、状況判断と読みの力を養っていた。 昨日も家に帰ってからは反省。あそこをああすれば良かったとか、しょうも無い後悔を積み重ねていた。 そして、軍資金を稼ぐためにここへ来た。 どんなに怪しかろうが、胡散臭かろうが関係無い。 少しでも金になりそうなら跳び付く。それしか俺に道は無かった。  寒空の下、震えながら立っていると一人の人間が此方へ来た。 黒い上着、フードの様な物を被り、白いワンピースを着ている。 まるで修道女の様な格好。顔立ちは若そうだが服装が服装なので少し年をくっているように見える。 23位か? とりあえず、挨拶だけはしておくか。 「こんばんは。貴方もこのゲームの参加者ですか?」 俺がそう声をかけると、彼女は顔を此方に向けた。 目があったのだが、その眼球には光が無い。 そのせいで彼女からは生気が感じられない。 それにこの恰好だ。不気味すぎる。 「こんばんは」 彼女は低く沈んだような声で挨拶してきた。 その様子も不気味。 まるで何かに操られているようだった。 「俺は松下 政吾っていいます。お名前は…?」 そう訊くと、あの不気味な沈んだ声で、 「黯 華雪(クライ カユキ)と言います」 そう言い、少しお辞儀をした。 「クライさんですか…。貴方はどうしてここに?」 次に、こんな胡散臭い大会に現れた理由を訊いてみた。 すると、彼女は沈んだ声で、 「ただ、お金が欲しいんです。私、一人暮らしで…。」 「そうなんですか…。俺もそんな感じっす。」 ここで会話が途切れる。 彼女はあまり人と話すのが得意ではないのだろうか。 この微妙な、むず痒い空気。 と、その空気をぶち壊す人間が現れた。 「あー!良かった人居る!やったー!」 黯とは正反対の高い声が、周りの騒音に交じって響く。 と、そこに現れたのは髑髏の派手な上着を着た長髪の女。 大分若そうだ。それに、スタイルが良い。 長い脚、少しくびれた腹、胸も大きい方か。 顔も、可愛い方に分類されるだろう。 と、そんな彼女は突然大声に自己紹介をしてきた。 「阪爪 華菜子(サカツメ カナコ)です!新米アイドルやってます!まだテレビ出演とか無いんですけど、いつか売れると思うのでよろしくお願いします!」 やはり、芸能界の人間か。 明るくていいが、行き過ぎるとうるさいだけだ。 この手の人間はブレーキの掛かりが悪すぎて困る。 「俺は松下 政吾っていう者だ。何でアイドルのあんたがこんな所へ?」 一応理由は訊いておく。 「なんとなく、面白そうだったから!」 この返事に思わず拍子抜けする。 最近のアイドルとはこんな軽い輩が多いのだろうか。 今、俺が大金を握っていたら軽く買えそうだ。 五万かからないだろう。 「ああ、そうなんだ…」 俺が呆れてそう溢す。 だが、この時、黯の表情が少し強張ったのを俺は見逃さなかった。 「ねえねえ!松下さんてどんな事やってるの!?」 「ギャンブラー。貯めた金で生活してる。世の中金だよ金。食い物も何でも買い放題だぜ。」 阪爪からの問いにとりあえずそう言っておく。 本当はそんな事をする金など無いのだが。 「へえ…、お金持ちなんですね!」 「彼女も居るんだ。貧乏時代から俺を支えてくれた彼女が」 嘘だ。数日前に金で買った。 儲けた金を早速風俗で使って買った女が一人。 17の学生、六万でほいほいとついてきた。 「いいなぁ…。お金もあって恋人もいて…。私もそんな風になりたい…。」 「アイドルなんだから、芸能界で作れば?」 「そうしたいけど…、どんな人がいいかしら…」 そんな話をしていると、一人の男が此方へ近づいてきた。 帽子を被った人の良さそうな青年。カーキ色のコートに青いジーパン。 コートのポケットに両手を突っ込んでいる。寒いのだろう。 「おや、もう人が来ているじゃないですか」 彼はそう言うと、勝手に自己紹介を始めた。 「白鳥 良貴(シラトリ ヨシキ)と言います。家の新築に金が必要で…」 そう言うと、照れ臭そうに微笑んだ。 「そうか。俺は松下 政吾。宜しく。」 「私は阪爪 華菜子。新米アイドルです!よろしくね!」 俺達はそう挨拶を交わすが、何故か黯だけそうしない。 俯いたまま、カジノの壁を見ている。 だが、気にしても仕方ないか。 「アイドル…、写真集とか出してるの?」 白鳥と言う男はそんな話題に食いついた。 優しそうな外見の内側に野獣の様な部分でも隠しているのだろうか。 「写真集出してます!すっごくよく撮れたのでぜひ買ってくださいね!」 「うん。分かったよ」 白鳥はそう言うと、また照れ臭く笑った。 「何…、白鳥君は意外と嫌らしい一面を隠し持ってるんだ〜。」 俺がそう茶化すと、彼は顔を真っ赤にして、 「そ、そんな事無いですよ。ただ、芸能界に疎いので…。」 「何〜、私と一晩遊びたいの〜?今日のゲームで私に勝ったらいいよ〜。」 阪爪もそう茶化す。すると白鳥の顔はどんどん赤らんでいく。 と、そこへまた一人の人間が現れた。 女性。黒いブーツとズボンに白い上着。その上着の袖口から紺色のセーターがはみ出ている。 身長は低いし、木の枝の様に痩せている。 それに、細い目。少し高い鼻、唇の細い口。嫌味っぽそうだ。 とりあえずこいつには話しかけないでおく。 そんな気配に押されたか、阪爪も白鳥もこの女には声を掛けない。 二人で何やら話している。 「何?どうなったの?白鳥君は阪爪ちゃんと危険な一晩を過ごす事になっちゃったの?」 俺がそう言うと、白鳥がツッコんできた。 「この場合、危険な一晩を過ごすのは阪爪ちゃんじゃないかな?」 「ううん。私ね、凄く危ないよ〜。くっ付いたらしばらくは話さないわよ〜。」 阪爪が茶目っ気を出すと、白鳥がこんな事を言ってきた。 「じゃあ、僕が勝ったら一緒に遊ぼうかな。僕の本当の姿は野獣だからね。覚悟しなよ。」 「いやー!私白鳥君に食べられちゃう!助けてー!」 「白鳥〜。そんな新人アイドル一口で食べちゃえ!」 「あはは、美味そうな体してるなぁ…。」 そんな悪ふざけをしていると、最後の一人が現れた。 「チーッス。ここが変なゲームの会場かな?」 男はまるでラッパの様な声で俺達に話しかけてきた。 金髪の頭をワックスで逆撫でした様に固めている。 細長く頬のこけた顔。垂れた眼、高い鼻、小さい口。ピアスだらけの耳。 そして、薔薇の様に真っ赤な上着に黒いズボン。相当派手好きなのだろう。 「ん、あんたも参加者か。」 俺がそう声をかけると彼は微笑んできた。 「ああ、俺の名前は虻川 恵太朗(アブカワ ケイタロウ)借金の為にこんなもんに参加しちまった馬鹿野郎でございやす。宜しく」 相変わらず、ラッパの様な変な声を出す虻川。 「私は阪爪 華菜子。新米アイドルです!今夜もしかしたらそこの白鳥君に食べられちゃうかも!」 阪爪がそう言うと、白鳥は顔を赤くした。 「白鳥です。よろしく。」 すると、虻川はそんな白鳥を品定めする様に見始めた。 「いいねぇ。こんな別嬪な人と夜遊びとは。俺様はその手の達人だから少し教えて差し上げようか?」 彼がそう言うと、白鳥はさらに顔を赤くした。 「そんな…どういう事ですか?」 「その手の達人なんだよ。パッと見さえないし変な声の俺様でも、一時期5股をかけたことがある。遊びだけでな」 「へぇ…。」 その言葉に何故か俺が関心。 「じゃあ…、貴方とも遊びたいな…。勿論松下君とも。今夜皆で家来ない?」 と、阪爪の危険すぎる提案。どれだけ欲求不満なのだこの女は。 「いいね。皆で回そうぜ!」 ラッパ声の虻川がそう言った。 「そうですね。僕初めてだからなぁ…」 白鳥ものって来る。この二人はド変態なのだろうか。 いや、煽っていた俺もその中に含まれてしまうか。 もしかしたら俺が一番かも知れない。 風俗の女を金で買ったのだから。  「皆さん。お揃いですね。」 突然の声、俺達は驚いて辺りを見回すが、誰も居ない。 そのかわり、カジノの扉がその不気味な口を開けていた。 その先には、灰色の壁に挟まれた道が暗黒に向かって伸びている。 あまりにも不気味。あまりにも奇怪。 だが、進まない訳にはいかないのだろう。 「私、怖い…。」 阪爪が、先ほどとは打って変わって、そんな弱々しい声を吐いた。 この不気味な建物内の様子にやられてしまったのだろう。 「大丈夫だって。何も無えよ。きっと巨大ルーレットとかがあってそれでガッポガッポと儲けるんだろうぜ!」 ラッパ声の虻川がそんな事を言いながら入って行った。 すると、皆、彼につられて入っていく。  暫く進むと、広間があった。 ぴかぴかと光る、まるでペンキ塗りたての様な灰色の壁。しかし、何故かひびが入っている。 それに、何者かが塗り直したような斑が見られる個所もあり、恐らくここで何かがあったのだろうと推測させる。 床も床で、塗り直したような跡が見られる。何がこの広間で行われたのだろうか。 また、その広間の真ん中に何やら不思議な台が置いてある。 正六角形の木枠の内側に緑色の、9×6マスの描かれたデジタル画面、その画面の上に何やら怪しげなカードが9枚ずつ、六角形の木枠の辺の所に接する様に裏返しで置かれている。 また、木枠の辺の所には名札が付いている。どうやら対応する所にある、粗末な木製の椅子に座るようだ。 この名札の四隅に色が付けられており、これが個人個人違う。 因みに、俺の席は出入口を背にした位置。色は黒。左隣は…、紫の黯、右は赤の堤 汐梨(ツツミ シオリ)。あの嫌味っぽそうな女だ。 「やった。俺、阪爪ちゃんの隣だ。」 と、虻川の声。因みに阪爪は正面。向かい合う形。 「いいなぁ、松下さんは阪爪ちゃんの顔を見ながらゲームができて」 「俺は触れ合えないんだけど…。」 「良いじゃない。私に勝てたら…ね。」 阪爪はこの不気味な空気に慣れたようだ。  『では、これからこのゲームの説明をします。皆様、手元のカードを取ってください。』 突然、男の声が聞こえた。俺は思わず声の主を探した。 すると、天井にスピーカーの様な物がある。きっとここが声の出所だ。 「ちょっと!あんた誰よ!」 俺の横の堤が、突然声を上げた。 少し低めの、力強い声。こんな声の輩に嫌味を浴びせられたらたまらない。 だが、声の主はそんな彼女を無視する。 『そこに、9枚のカードがあります。恐らく宝石の絵と数字が描かれているでしょう。』 そう言われ、慌ててそのカードを手に取る。 と、そこにはこの声の言う通りの物が描いてあった。 俺のカードは…、青い宝石のカードが5枚、赤のカードが1枚、緑のカードが1枚、黄色が2枚。 それぞれに数字がふってある。 そう言えば、描かれている宝石の種類は4種類。それに数字がふってあるし、6人で9枚ずつならジョーカーを2枚とも抜いていないトランプと同じ枚数だ。 これはトランプを模したカードなのだろうか。 『青いサファイア、赤い宝石はルビー、緑色の宝石はエメラルド、黄色い宝石はトパーズ。それぞれが13枚ずつあります。また、ダイヤモンドのカードが2枚。これはトランプで言うジョーカーです。 皆さまには、これらのカードでトランプゲーム。{7並べ}をやって貰いたいと思います』 謎の声にそう言われ、皆は怪訝な表情をする。 ただ一人、黯以外は。 そして、謎の声は間髪入れずに声を出す。 『ただ、このカードでの7並べは特別なルールがございます。このデジタル画面にカードを出すと、そのカードを囲っている枠が対応した名札の色に光る設定になっています。 つまり。そのお陰で誰がどのカードを出したか判る。と言う事です。 そして、このカードには値段があります。まずはサファイア。一枚、1万円。』 その声に、俺は肩を落とす。 1枚、1万か。 『次にルビー。これは一枚2万。エメラルドは1枚3万。トパーズは1枚5万となっており、全部出した時点、つまり上がったら出せた金額分のお金を差し上げます。』 全部出せれば20万。そう考えればまあまあな金だ。 『因みに、ダイヤモンドはジョーカーですので価値なし。後は普通の7並べと変わりません。トンネルはありで、パスは1回まで。2回目でドボン。ダイヤが最後まで手元に残っていてもドボンです。因みに最初はトパーズの7を持っている人から時計回り。 では。皆さん。始めてください。』 1巡目。黯の声から始まる。 「私からですね。」 場には7が4枚。 そして、ルビーの6が場に出ている。 「ああ、俺か…。」 慌ててカードを出す。 俺の出したカードはエメラルドの6。出せて良かった。 次は、堤。一体何を出してくるのか…。 「サファイアの6…」 彼女はそんな事を呟きながら、言ったとおりにサファイアの6を出した。 それに俺は微笑む。 今、持っているサファイアは1と5と8、9、11。 そして、出せるのは8のみだった。 しかし、彼女が先ほど、6を出してくれたので俺も次の番に5を出せる。 出せるカードが少ない俺に、新たな道が開けた。 「あ…、俺はルビーの8か。」 ラッパ声男、虻川がルビーの8を面倒臭そうに出した。 これで、ルビーは両方に膨らみを見せる事だろう。 「私は…、エメラルドの8。」 新米グラビアアイドルの阪爪がエメラルドの8を出した。 これで、エメラルドも両方へ広がっていく。 「じゃあ…、僕はトパーズの8。」 白鳥が黄色い宝石の8を出した。 2巡目。黯の番。 と、彼女は無言でダイヤモンドを本来トパーズの6が置かれるべき位置に置いた。 これで、トパーズの6を持っている者は強制的に出さなければならなくなる。 「これしか出せる物が無いんですよね」 黯は照れ臭そうにそう呟いたが、それが何故か挑発的に聞こえる。 まぁ、俺はトパーズの6は持っていない。俺が持っているのは3だ。 「さて、じゃあこう…。」 俺はサファイアの5を場に出した。 すると、堤がすぐにトパーズの6を出してきた。 そして、ダイヤを回収する。 「さて、俺は…」 虻川はエメラルドの9を出した。 だが、俺には関係の無いカードだ。 もう、手の中にエメラルドは無いのだ。 「次は、私。ルビーの5。」 阪爪がルビーの5を出す。 すると、白鳥がエメラルドの5を出した。 3巡目。黯 華雪の番。 彼女は大人しくトパーズの5を出した。 「ん…」 俺はそんな風にして、一度迷うふりをみせ、トパーズの9を出した。 堤はエメラルドの10を出す。 その様子が、まるで冷酷な雪女の様であるので、一瞬ひるむ。 「じゃあ、俺は…。」 虻川はルビーの4を出した。 「ああ、やっとこれ出せるよ。」 そう言いながら、阪爪がルビーの3を出した。 これで俺はルビーの2を出せる。 「ん…、ルビーの出がいいね。じゃあ、僕も。」 白鳥はルビーの9を出した。 4巡目。 多額の賞金を狙うこの7並べ。上がれれば一攫千金。しかし、まだ誰も何かを仕掛けているわけでは無い。 「そうですね…」 黯がエメラルドの4を出した。 だが、出す前に相当悩んでいた。もう詰まってきたか。 「じゃあ…」 俺はルビーの2を出す。 すると、堤がルビーの10の位置にダイヤモンドを置いた。 此方はもう手詰まりか。 「うおお…、しかしこの部屋寒いな…。」 虻川はそんな事を言いながらトパーズの10を出した。 そして、少し身震い。 だが、彼の言うとおり、この部屋は寒い。 事実、俺もさっきから寒くて寒くて仕方ない。厚着をするべきだったか。 「ああ、ルビーの10私だ…。」 語尾に余韻を残しながら、阪爪が呟く。 そして、ダイヤモンドを回収してルビーの10を出した。 「あーあー…、上がりが遠のいちゃったなぁ…。」 阪爪はのんびりとした口調で呟いた。 その反対が、白鳥。 「じゃ、僕はルビーの1と…。」 彼の手札は、残す所あと4枚。 黯に至っては後3枚だ。彼女はもう上がりだろう。 5巡目。黯はエメラルドの3を出した。残り二枚。 俺は、サファイアの8を出す。 すると、阪爪が驚きの声を上げた。 「うっそ!ずっと止めてたでしょ!」 若干、俺に対して怒っているようである。 もしかして、彼女がサファイアの10を握っているのだろうか。 そんな事を考えながらも、阪爪の問いに関しては微笑んでこう言うだけ。 「だって、君に勝ちたかったから。」 すると、虻川が声を上げる。 「うっわ。松下変態だ!変態野郎だ!欲求不満だ!」 そう言いつつ、彼はサファイアの4を出していた。 そして、阪爪がトパーズの4を出す。 と、ここで白鳥がサファイアの3を出した。 これで、第5巡目が終わる。 6巡目。そろそろパス者が出る頃だろう。 1回しかパスは許されない。よって、ゲームが動くのはそろそろだ。 俺はまだ出せる。負ける訳にはいかない。 とにかく、金が欲しい。 まずは、黯。彼女はエメラルドの11を出した。これで、彼女はあと一枚。 だが、彼女がサファイアの後ろの方ならまだ上がりは不可能だ。 俺が1と11を止めている限り、彼女に上がりは来ない。 「…これかな。」 俺が出したのはトパーズの3。これで手札は全てサファイアとなった。 もう少しで20万。これでまた豪遊してやる。 次は堤。彼女はルビーの11を出した。 ルビーは12、13で全て無くなる。 と、ここで特徴的なラッパ声が俺の耳を劈く。 「うわ!出せねえ!」 それと同時に虻川の名札の、名前の上の部分に×が付いた。 これがパスの印だろう。 「あーあ、虻川君ドボンか…。寂しいな…」 阪爪の声。そう喋りながらも彼女はエメラルドの12の位置にダイヤモンドを置いた。 終盤まで余らせておくのは危険と判断したのか。 と、白鳥の力ない声。 「あーあ、エメラルドの12、僕だよ…。」 7巡目。虻川はここで散ってしまうのだろうか。 そんな事を考えながらも、俺は手札を眺める。 綺麗に青色の宝石だけが残った。3枚。合計30000円分。 と、ここで黯の表情が崩れた。 どうしたのだろう。 そう思い、顔色をうかがうと、小声で「パス」と呟いた。 そして、彼女の名札に×が一つ。 勿論。皆は驚きを隠せない。 「黯さんも…、ドボン?」 白鳥が心配そうに訊いたが、彼女は返事をしない。 それどころでは無い。まるで、脱落に対して恐怖を抱いているような面持で震えている。 その震えは、寒さから来る物では無いだろう。 俺は、そんな彼女の顔色に疑問を抱きながら、しかしそれでも彼女をハメるためにこう言う。 「パス。」 だが、俺のパスには皆驚かない。 黯の様子がおかし過ぎるからだろうか。 「私は…。」 堤は何とここでダイヤモンド。位置はトパーズの2。 だが、それよりも悲惨な奴が一名。 「うわ…、また出せねえよ!はめやがったな!」 ラッパ声の虻川だ。 彼はこれで脱落。 と、その時、空気が一瞬凍った。 「うぐ…」 それは、突然、虻川がうめき声を上げたためだ。 俺達が驚いて彼の方を向くと、何と彼は前のめりになっていた。 俺が体を倒して彼の様子を見ると、そこには見るも無残な状態の虻川がいた。 腹に、金属製の長い剣の様な物が突き刺さっている。 それは、彼の体を貫通し、さらに椅子の背凭れも貫き、血に塗れた刀身を露わにしていた。 百舌鳥によって枝に刺された様になっている虻川、腹を手で押さえ、体を震わしている。 刀身と傷の隙間から流れ出す血が、床を赤く染めている。 そして、虻川はピクリとも動かなくなった。 「いやあああああああああああああああ!」 阪爪の悲鳴が上がる。 さらに、堤も大声を上げた。 「誰か!救急車を!救急車を呼びなさい!」 と、ここでスピーカーの電源が入る音が聞こえた。 『ここから先は、特別ルールです。』 最初にルール説明をしてきた男の声。 「おい!どうなっているんだ!」 俺が怒鳴り声を上げる。 すると、黯が制してきた。 「今は、彼の言う事を聞きましょう。」 その一言で、場の空気が静かになった。 そして、黯はまだ続ける。 「これは、きっとラジカセか何かに録音された声よ。だから、私達が何を言っても通じないわ。」 彼女がそう言うと、男の声が続いてきた。 『特別ルール。それは簡単です。皆様。脱落者のカードを分配してください。次の番の人から一枚ずつ持っていくのです。そして、それを新たな手札としてゲームを続けてください。 また、ここからダイヤは得た次のターンに使ってしまっても構いません。そして、もう一つの特別ルールについて説明します。』 ここで、少しの間が開く。 そして、男の声。 『皆様の足元に、引出しがある筈です。その中にはナイフが入っており、それを使って他の参加者を殺し、カードを奪い取ることも可能です。その場合は殺された人間のカードは全て殺した人間の物となります。 カードが増えれば上がりは遠のく。その代りに、賞金が増えます。因みに、このゲームの勝者は上がった者か、最後まで生き残った者となっております。早く上がって今の金額に満足するか、それとも他人を殺してまで高額の賞金を得るか。それはあなたの自由です。 では、再開してください。』 しばしの静寂の後、阪爪が声を発した。 「…、どういう事?」 そう言い、首を傾げる彼女に、黯が改めて説明した。 「貴方から順に、彼のカードを一枚ずつ持っていくのよ。」 「じゃあ、私達は一枚増えちゃうの?」 「そう言う事になるわね…。でも、その分の賞金は増えるんだし…。」 「それよりも…、二つ目のルールが気になる。他人を殺してカードを奪い取る…。」 俺がそう言うと、白鳥が震えた声を出して何かを台の上に置いた。 「こ、これ…」 彼が台の上に置いた物は刃を銀色に光らせているナイフだった。 それを見た俺は自分の足元も確認してみる。 そこには、男の言ったとおり引出しがあり、中にはナイフが入っていた。 「マジかよ…。」 俺がそう呟くと、堤が突然声を出した。 「そう言えば、黯さんはやけに詳しいわね。一体、これはどういう事なの?」 すると、黯が口を開いた。 「私、過去にこのゲームに参加した事あるんです。その時も、こんな風に脱落者が殺されて、それで私怖くなって…。でも、お金が欲しいからまた…。」 顔に冷や汗が浮かんでいる。 「7並べで上がるだけでお金がもらえる。こんな簡単にお金がもらえるなんて、と思うと、例え死ぬとしても止められなくて…。」 彼女は全身を震わせながらそう言った。 それは、一人の金の亡者の懺悔にも聞こえた。 簡単に大きな金が手に入るなら命をも賭けてしまう、金の亡者の…。 「それよりも、とりあえずここから脱出しようよ!私死にたくないよ!」 泣きそうな声で、阪爪がそう言う。 だが、黯が残酷な事実を告げる。 「…、出入口、外から固められているみたい。開かないわ。前回もそうだった。生存者全員が上がるまでこのゲームは続いた。」 「そんな…、私死んじゃうの!?嫌だよ!」 「僕も、死ぬの嫌だ!」 白鳥と阪爪が大声を上げる。 堤は落ち着いているが、それはポーカーフェイスなのだろう。 「それよりも、早くゲームを再開しようぜ。このままじゃどっちみち出られない。」 俺がそう言うと、阪爪が泣き止んだ。 そして、殺された虻川の手札を自分の元へ引きよせ、一枚取った。 白鳥も一枚取る。 そして、黯も手を震わせながら一枚取り、余った一枚、サファイアの10を俺が取った。 「…私の出す番だよね…。」 先程までの元気が全くない阪爪。無理も無いだろう。目の前で人間が一人死んだのだ。 だが、生きたいという意志はあるらしい。彼女はトパーズの11を出した。 「…良かった、出せる。」 彼がそう言いながら出したカードはトパーズの2。 だが、この時、黯の表情が強張った。 そして、小さい声でこう呟いた。 「死にたくない…」 そう言うと、突然彼女は台の下に手を伸ばした。 そして、ナイフを取り出したのである。 「これで、誰かを…」 そう言うと、彼女は突然此方を見て、立ち上がった。 俺を見下してくる彼女の目から殺気を感じる。 「待て!、俺は高いカードを持っていない!殺しても無駄だ!」 立ち上がり、そう叫んで命乞いをするが、彼女の殺気の炎は大きくなっていく。 「貴方、さっきからサファイアを止めているでしょう。私の上がりを阻止するために!」 黯が突然大声を出した。その声には上がり阻止を仕掛けている俺に対する恨みが籠っている。 「そんな事してない!それに何故そんな事をする必要があるんだ!」 そう叫んでも、彼女には通じていなかった。 「大丈夫よ。心臓を貫かれれば即死するから。私、前回のゲームでも人を殺してるの。人の殺し方には自信があるから、一発で楽にして上げるわ」 彼女は突然微笑むと、ナイフを構え、襲ってきた。 「止めてくれ!殺さないでくれ!」 俺は思わず、腕を使って防御姿勢を取った。 だが、俺が切られる寸前、気色の悪い音と共に彼女の動きが止まった。 「うぐ…。」 彼女は、そう呻き声を上げて倒れた。 背中には深い刺し傷がある。 そして、そこには白鳥が放心状態で立っていた。 「どうしよう。僕、人を殺しちゃったよ…。僕、カードが欲しくて…」 そう言うと、彼は泣きながら黯のカードを回収し始めた。 そして、俺の番…。 8巡目。二人の死人を出したこのおぞましいゲーム。 俺はパス1。次、パスしたら死ぬ。だから何が何でも出さなければならない。 「まだ、死にたくない。」 ここまで止めていたサファイアの9を出す。 次、堤はルビーの12を出した。 青ざめているその顔からは、死に対する恐怖が伝わってくる。 そして、阪爪。彼女は声もあげずにサファイアの2を出した。 赤らんだ頬には、涙が伝っている。 次、白鳥はダイヤをサファイアの10の位置に置いた。 このカードを持っているのは俺。 従って、俺はこのカードを出さなければならない。 9巡目。 俺はサファイアの10を置いた。 そして、ダイヤモンドを手札に加える。 こいつは早いうちに処理しなければならない。 そうしないと、殺される。 「…、あと一枚…。」 死の恐怖におびえていると、隣から安堵の声が聞こえた。 堤がトパーズの1を出し、手札を残り一枚としたのだ。 次に彼女は上がりだろう。 そして、阪爪。彼女はエメラルドの13を出しながら呟いた。 「ねぇ、何で私達こんな目に遭っちゃったの…。」 そう言うと、白鳥がトパーズの12を出しながら呟いた。 「こんな安易な誘いに乗ってしまったから…。だから僕達は殺し合いをしなければならなくなってしまったんだ…。」 黯を殺した罪悪感からか、それとも死に対する恐怖からか、彼は暗い調子でそう言った。 次の俺の番。早くもダイヤモンドを使うつもりだ。 10巡目。 俺はトパーズの13の位置にダイヤモンドを置いた。 こんな物、長く持っていたくない。 持っていたって死ぬだけだ。 「これで一安心…。」 俺がそう呟くと同時に堤が悲鳴を上げた。 そして、突然、怒声を浴びせてきた。 「何でそんな事するのよ!そんな事されたら私、死ぬことになっちゃうじゃない!」 ヒステリーを起こした堤。その眼には殺気が宿っている。 「待ってくれ!俺はあんたの手札を見た訳じゃない!最後にトパーズの13を持ってきたのはあんたじゃないか!」 「五月蝿い!あんた私をそんなに殺したいの!?」 堤は完全に我を見失っている。だが、俺が彼女を殺したら彼女の最後のカード、トパーズの13がここに来てしまう。 かといって、大人しく殺されるわけにはいかない。 仕方ない。 「あんた、殺してあげる!」 堤が足元からナイフを取り出そうとした時だった。 俺は彼女からカードを奪い取った。 「ちょっと、なにするのよ!」 そう言う彼女を無視して、トパーズの13をダイヤモンドの上に置いた。 すると、トパーズの13の周りには赤が点り、堤はダイヤモンド残しで脱落が決まった。 足元の引き出しを開けようとしている彼女の頭部を台に仕込まれた刀が貫いた。 彼女は、言うまでも無いが即死。額に刺さっている剣を伝って血が滴っている。 「堤さん。死んだよ。」 俺がそう言うと、阪爪がこちらを向いた。 「てことは、ダイヤは私だよね・・・。」 そう言うと同時に、彼女は泣いて台に伏せた。 ダイヤ残しで死んだ堤の姿が強烈に脳裏に焼き付いてしまったのだろう。 だが、俺はそれと共に罪悪感を感じていた。 堤を殺したのは俺なのだから。 「ねえ、松下君反則じゃ…。」 白鳥の小さい声が聞こえた。 俺は振り向き、こう言う。 「さっき、放送がダイヤはもらった次のターンに使っていいって言ってたぜ。だから使ったまでだ。まさか堤さんが死ぬとは思わなかったがな…。」 すると、白鳥は頷いた。 しかし、阪爪はどうしたのだろう。 彼女が出さなければ話が進まない。 そんな事を考えていると、彼女がようやく声を出した。 「パス…。」 涙に濡れたその声に反応した名札。彼女の名前の上に×を付ける。 これで、彼女はパスできなくなった。 「じゃあ、僕だね…。」 白鳥は、エメラルドの2を出した。 その時、俯いて台を眺めていた阪爪が顔を上げた。 その眼には、小さな希望の光が点っていた。 11巡目。 俺はサファイアの1を出した。残りカードがサファイアの11だけとなった。 だが、もし、この後二人のどちらかがダイヤモンドを出してきたら俺は死ぬ。 堤や虻川の様に、剣に体を突かれて殺されてしまう…。 「私…。」 阪爪がカードを選び出した。 頼む、ダイヤは出さないでくれ。俺はカードを裏返して台の上に置き、手を台の陰に隠し祈った。 すると、彼女はカードを台に置いた。 置かれたカードは、サファイアの13。 俺は、生きた。 だが、まだ死の危険から逃れた訳では無い。 次、白鳥がダイヤを出してきたら俺は死ぬ…。 再び、手を組ませ、目を瞑って祈る。 頼む、白鳥…。 少しの静寂の後、俺は目を開けた。 そこに、ダイヤ等無かった。 そして、この瞬間に俺の上がりが確定した。 白鳥の出したカードは、サファイアの12だった。 12巡目。 「よっしゃ!生き残った!俺は生き残った!」 勝利と生存の喜びを声に出した俺は、サファイアの11を場に出した。 すると、台が突然、電子的な声を発して喋った。 「おめでとう御座います。松下 政吾様。賞金210000円です。」 210000円。命を賭けた割には少ないが、生活の足しにはなるだろう。 台にある取り出し口と思われる所から出てきた札束を受け取る。 そこで、台から再び声が聞こえた。 「但し、このゲームが終わるまで外に出る事は許しません。また、まだ上がりでない者は上がった者を殺す事も可能です。」 俺はその言葉に首を傾げる。 つまり、俺はこの金を守らなければならないのか…。 そこでふと、阪爪と白鳥の様子を窺う。 阪爪は放心状態。白鳥は彼女の出すカードを待っているようだ。 いや、それは無い。 今、場に出ていないのはエメラルドの1とルビーの13。それに二枚のダイヤモンド。 そして、二人は脱落では無い。つまり、ダイヤモンドは一枚ずつ手元にある。 順番は白鳥が後。ここで阪爪がジョーカーを出したら白鳥はダイヤ残しで死ぬ。 すると…、阪爪が生き残る。これ位の事は彼等の中でも計算出来ているだろう。 まてよ、と言う事は…。 「阪爪ちゃん!危ない!」 俺は思わずそう叫んでいた。 見ると、白鳥がナイフを握り、阪爪の方を向いていた。 彼女も彼女で、ナイフを握っている。 だが、体が震えている。このままでは、彼女は殺されてしまう。 しかし、俺も体が動かせない。 何故だ。何故言う事を聞かない。 「ああああああ!」 突然、白鳥の咆哮が響いた。 ナイフを構えて、阪爪に襲いかかる。 だが、その時、彼女がナイフを振るった。 それが、白鳥の頬を掠めた。 血が、滴る。 「うわあ!」 それに怯んだ白鳥。よろけて後ろに倒れた。 そこへ、阪爪がナイフを突き刺した。 「阪爪 華菜子様。賞金290000円です。」 機械が、虚しくそう喋っている。 白鳥の死体を眺めている阪爪。その声にも反応を示さない。 「…、ゲームは終わった。これで、帰れる。」 俺はそう呟き、4つの死体と、目を見開き、口を閉じたままの人形の様に動かなくなっている阪爪を放って、このおぞましい惨劇が繰り広げられた建物から外へ出た。 13巡目。 あの惨劇から、1年後。 幾度目かの金欠を味わっている俺は今、不思議な精神状態に捕らわれている。 それは、期待と恐怖。 あのゲームに出れば、また大金が手に入る。 ただ、7並べで上がるだけ。それだけでまた金が…。 しかし、もしかしたら殺されるかもしれない。そうしたら全てが無しになってしまう。 いや、ならば殺されなければ良いのか…。 そう言う問題では無いか。そう考えると、俺はまた人を殺さなければならなくなる。 だが、とにかく金が欲しいのだ。その為には人を殺す事も辞さない…。 しかし…。俺にはそんな勇気、残っているだろうか…。 良心と悪意に心を揺すぶられ、頭を抱えている時だった。 「7並べで上がるだけでお金がもらえる。こんな簡単にお金がもらえるなんて、と思うと、例え死ぬとしても止められなくて…。」 突然、殺された黯の一言が、脳裏をかすめた。 それと同時に、家のポストが鳴った。 様子を見に行ってみると、そこには一枚の紙が入っていた。 俺は、その書面に驚愕する。 しかし、俺はそれを手にしたまま、外へと飛び出した。 いや、俺の中の誰かが、そうさせた。 --------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- ---------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------  『Nyx』でゲーム大会を行います。 優勝すれば、多額の賞金が貴方に。 松下 政吾(マツモト セイゴ)様へ。 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