【人(?)助けは大変なの?】 時刻は8時過ぎ、閉店作業を終え夕飯の支度を済ましたはやては一同をリビングに集めた。 「いつもあれだけお客様には迷惑かけちゃあかんっていうたやろ!」 座っている面子の数人にはタンコブが見える。 「シグナムはお父さん代わりなんやからもっとしっかり」 「うむ、これからはしっかりと食――」 「しっかりとお客さんを食べるんやなくて接客してな」 笑顔のままシグナムの顔の横を卓上のフォークが掠める。 「シャマルも余計な事しなければまぁまぁな料理できるんやから」 「でもぉ〜新たな事にチャレンジしようと思ってぇ〜 テヘッ☆」 ガンッ と鈍い音をたててシャマルの目の前にナイフが刺さる。 「ちゃ〜んと料理して、しっかりと自分の歳を把握してな テヘッ☆」 (キモチワルイ・・・) 「まったく・・・」 はやてはそう言うと隣に座っていたヴィータを抱き寄せた。 「家で一番しっかりしてるのはヴィータだけやなぁ」 「えへへへへ」 頭を撫でるはやて。 「あの駄犬の面倒をよぉ看てくれてるわぁ」 横を見ると御飯を食べながら力尽きたのか、眠っているザフィーラの姿が。 「あいつ雌犬には興味ないくせに人間の女には凄い勢いでがっつきおるからな」 「はやて、あそこのコロッケとって〜」 「はいはい・・・そういえば今日変な動物がおったなぁ、」 「変な動物?」 「そうや、なんや言葉を喋るというかなんというか変態なフェレット」 「なにそれ変なのー」 (ハァハァハァ) バッ と突如また頭の中に聞こえた声に席を立つはやて。 「どうしたのはやてちゃん?」 「いや、なんというか・・・」 「ハァハァハァ」 ふと隣を見るとザフィーラが匍匐状態ではやてのスカートの中身をガン観していた。 「キェェェェェェェェェェェェェイ!!!」 はやての踵落としが炸裂した瞬間であった。 「しかし、あれは何やったんやろうな」 寝室ではやてはあのフェレットのことを考えていた。 「喋るフェレットねぇ」 はやては電気を消しベッドに入った 「なんや助けてって言ってた気も―――」 (ハァアンッ、ハァ――オゥ) 再びはやての頭の中に例の声が聞こえてきた。 (ハァハァ――ウッハァハァ) 「――するし」 (お願い―――ハァハァ――たす――けて――) 「はぁ・・・」 はやてはベッドを出て着替え始めた。 「助けるついでに今度はしっかりと息の根止めてくるか」 こうしてはやては深夜の街にくりだしたのであった。