三井高利の家憲 1.単木は折れやすく、材木は折れ難し。汝ら相協戮輯睦して家運の強固を図れ。 2.各家の営業より生じる総収入は、一定の積立金を引去りたる後、始めてこれを各家に分配すべし。 3.各家の内より一人の年長者をあげ、老八分と称してこれを全体の総理たらしめ、各家主は皆老八分の命を聞くべきものとする。 4.同族は相争うなかれ。 5.堅く奢侈を禁じ、厳しく節倹を行うべし。 6.名将の下に弱卒なし。賢者能者を登用するのに最も意を用いよ。舌に不平怨嗟の声なからしむように注意すべし。 7.主人はすべて一家のこと、上下大小の区別なく、すべてに通じる事に心がけるべし。 8.同族の小児は、一定の年限内においては、他の店員待遇をなし、番頭・手代の下に労役せしめて、決して主人たるの待遇をなさしめたるべし。 9.商売は見切り時の大切なるを覚悟すべし。 10.長崎に出て、外国と商売取り引きすべし。