<キャラ設定&能力> ヘルラージュは秘密結社のボスです。 ラージュ家は、古神降霊術という珍しい魔術を継承してきている家系で、 幼い頃から姉のミアと一緒に、同術を両親から厳しく教えられてきました。 とはいえ、神童と呼ばれて期待を一身に受けていた姉と違って、 早々に見切られたヘルには、幸か不幸かあまり束縛がありませんでした。 なので、子供時代はわりと普通に過ごしています。 両親への愛情を上手く受けられなかった彼女は、 過剰なまでのお姉ちゃん子に育ち、修行時間以外は殆ど姉の手を握って、 ちょこまかとついていっていました。 遊ぶときもそうだし、夜中にトイレに起きてもそうだし、 暗がりに泣いていれば大抵姉が頭を撫でに来てくれたので、 依存心はかなり強かった方です。 二人の両親はこれに困ったなと感じていましたが、 姉の息抜きになっていたようなので、強く咎めることはありませんでした。 しかし、そんな姉が、ラージュ家での古神交霊術の訓練中に、 暴走事故を起こしてしまい―― さて、姉が死んだ後は、ヘルに白羽の矢が立ちました。 とにかく、姉の代わりを務める為だけにヘルは古神交霊術を学び、 そして、意外なスピードでマスターしていきました。 どうやら、ミアの影に隠れて分かりませんでしたが、 彼女にも才能はちゃんと受け継がれていたようです。 しかしながら、彼女への期待は外への見せかけ用のもので、 実際には両親は姉を蘇生させる為の準備を裏で重ねていきます。 やがて「黄泉還り」の儀式を経て、姉はゾンビとしてこの世に蘇ってしまうのです。 それは姉妹にとって更なる不幸の始まりだったのですが……。 ――さて、ここからは皆さんもよく知っている、 魔女の館での話へと続きます。 身長は162cm。 端麗な容貌と恵まれたスタイルをもちますが、走ればこけるし、口を開けば甘えてきます。 好きな色は黒やピンク、服はフリルがついたものが好きで、 「俺様は、ロリータ以外に着こなすのは無理だぜ!」と主張しているようなお姫様チックな服でも遠慮無く着るし、 最終的に服の方が彼女の魅力の前に黙るしかありません。 周りがどう思うか、ということには頓着(とんちゃく)していないようで、 気ままにジャージに着替えるし、お仕事の時は露出が高い幹部服だし、寝る時はピンクのパジャマです。 本人はともかく、姉のミアラージュの方は彼女の無防備さに頭を悩ませており、 悪い虫がつかないように、周囲に睨みを利かせていたりします。 端麗な容姿とのギャップのせいで、余計に幼い言動が目立つ彼女ですが、 そんなヘタレ具合が良い具合に働いているのか、 思わず手を貸してしまうような、不思議な魅力を持っています。 その力は、とくに怒っている相手に発揮されるようで、 彼女に悩みを聞いてもらっていたら、いつの間にか心が軽くなっていたという報告が多いです。 ひょっとしたら、相槌のタイミングとか、聞くときの仕草とか、 目に見えていないだけで言葉に表せる才能なのかもしれませんが、 とにかく彼女には、人を落ち着かせる何かがあって、 それこそが、獅子でも竜でも従える可能性を持った、彼女が持つ最大の力に他なりません。 <交友関係> 好きな食べ物は甘い物全般。 パンズの甘みから、芋系の甘みから、生クリームの甘みまで何でもいけて、 放っておくと、お菓子にケーキに次々と買ってきて、すぐにお財布を空にしてしまいます。 そんな有様なので、王国に合流時に姉のミアがヘルの財布を取り上げて、 今ではラージュ家として一括管理しています。 つまり、月幾らというお小遣い制に変わりました。 好きな食べ物に加えると、果物も大好きです。 パイナップル、オレンジ、イチゴ、それらをシロップ漬けにしたデザートは超好きです。 果物の中ではスイカをちょっと苦手としていて、 本人曰く「種をほじって食べないといけない手間の代わりに、甘くないわ」という甘えた理由だそうです。 デーリッチ達が「くれくれ」と言えば、スイカに限っては分けてくれるので、 周りの忠告を無視して、調子に乗って食べ過ぎたデーリッチ達が、時々お腹を壊しては怒られています。 家からあまり出られなかった為に、幼少期の交友範囲はかなり狭いものでした。 また、姉に大きく依存していた為、びびり癖が抜けきらず、 度胸をつける為に秘密結社のボスを始めたときも、 悪事の小ささをローズマリーに怒られてしまうほどの小心っぷりを見せていました。 そんなヘルも秘密結社活動を通じて徐々に成長しているのか、 今では姉がいなくても、一人で色々とやれるようになってきました。 ミア自身は、そんな妹を喜んでいいやら悲しんでいいやら複雑な気持ちで見ていますが、 ヘルの姉への愛情は幼少期から少しも変わっておらず、 ただ「これではいけない!」と、我慢しているだけだったりもします。 王国に来てからは、ローズマリー、デーリッチと一緒に、 秘密結社活動という名の善行を繰り返しています。 これは各地で大変な人気を誇り、 ヘルが一人で歩いていると、子供達が集まってカルガモの親子のような行列になるくらいです。 こんな状態だから、秘密結社の「秘密」の部分は殆ど守られておらず、 アジトの場所は、もはや公然の秘密となっております。 他に特筆すべき点は、手先が非常に器用なことで、 大量のぬいぐるみを一から縫い上げてお店を開いたりもしています。 ただ、ぬいぐるみも可愛いものは作れますが、怖いものは苦手としています……。 ゾンビとかの怖いのは、ぬいぐるみでも無理なのです。 (姉はゾンビっぽくないので、この場合は平気) <作者の想い> ヘルちんです。 この四文字だけで色々と説明がつきそうなくらい本編ではへたれておりましたが、 なんと水着イベントでは完全なる主役に抜擢! へたれた部分を残しつつも、しっかりとした成長を見せてくれました! 僕はそれが何より素晴らしいと思います……!! ナイスバディも見せつけてくれましたしね!(本音) 秘密結社活動という、いい加減な部分は、ざくアクのゆるさをよく表現しており、 これ一本で何か書けそうだなといった感じがありますよね。 あ、いや、書いたんだ!書いたから第三話の主役に決まったんだった! 皆さんは如何だったでしょうか? ヘルちん達の冒険、楽しんで頂けましたでしょうか? 姉妹愛って本当に素晴らしいですね……ぐすっ……! 姉と妹に逆の体格差があるとかホント好き……! 彼女の過去編も、長編一本が書けそうなくらい膨らんでおりますが、 あまりにも暗くなりがちなので、遠慮しております。 どうあがいても姉が死んじゃいますからね……決まっている未来って怖いわ……。 これなら逆に姉が死なない世界の為に、ヘルにタイムリープさせたいわ……。 でも、幸せならゾンビのままでもいいのかもしれない……? 逆にミアちゃんは今のままの方がいいって言う、病んでる人もいるかもしれない? その想い……大切にしたい(病んでる)