《ワンピース『受け継がれる意志』》5:2:1 【登場人物】 Drヒルルク:チョッパーの名づけ親。誰からも嫌われていたチョッパーを自分の子供の        様にかわいがる。島民に無料で診察するものの未完成の治療法を使うために        人々からはヤブ医者として怖れられていた。もとは“西の海”で暴れていた        大泥棒で、見事な桜をみて自分の不治の病が治ったことから故郷のドラム島        に戻り万能薬の研究をはじめる。 トニートニー・チョッパー:もとは野生のトナカイだったが悪魔の実・ヒトヒトの実を食べて        しまったため、人間の能力を身につけてしまう。そのせいでトナカイ仲間、        人間の両方に気味悪がられ孤独に過してきたところを、Drヒルルクに        助けられる。 Drくれは:140歳に近い年齢ながら誰もが認める高い腕を持つ現役の医者。       しかし高額な治療費を情け容赦なく要求することから島の人々からは“魔女”       と呼ばれ怖れられている。 ドルトン:ドラム王国の守備隊隊長。牛のばけものに変化することができる。 ワポル:食べた物の能力を身につける悪魔の実・バクバクの実の能力者で医療大国ドラム王国     の国王。しかし、その医療技術を独占するため医者狩りを行い、住民を苦しめる。 ヒルルク ♂: チョッパー ♀: くれは ♀: 村人A&兵士A ♂: 村人B&兵士B ♂: ドルトン♂: ワポロ ♂: ナレ&犬 ♂or♀: ナレ:これは6年前の・・・ドラム王国で起こった物語・・・。 犬:わん!わん!! ヒルルク:はぁ、はぁ、わっ・・・! 村人A:いたか!! 村人B:いえ!!見つかりません!! 村人A:あいつに決まってる!!ヒルルクがやったんだ!! 村人B:信じられるか。金を盗んだ上に火をつけやがったんだ!! 村人A:あんたら国の守備隊だろう。何とかしてくれ!! ヒルルク:4万・・・5千・・・3・・・4・・・5・・・5万ベリーか。      ふん・・・何を5万ぽっちでケチケチしおって・・!! ナレ:背が高く薄汚れたヒルルクと呼ばれるこの男は、桜の花びらと    ドクロの書かれた医療用の大きなバックを抱え息を切らしていた。 ヒルルク:家が燃えたくらいで、ガタガタ騒ぐんじゃねぇよ!!      ぐ・・ゲホッ・・ゲホッ・・・ゲホッ!!      くそ・・ハァ、ハァ。 くれは:ひーーひっひっひっひっひ。ハッピーかい?若造? N:橋の上に酒をあおりながら派手な格好の老婆がヒルルクに話しかける。 くれは:腕のない医者ほど恐いものは、この世にないね。     お前が医者と名乗らなきゃ。     ただの風邪ですんだ病人が何百人いたことか。 ヒルルク:ふん・・やかましい。      貴様の様に病人の足元を見て金をふんだくる。      悪徳医者には何も言われたかねぇな!! くれは:そいつはあたしのスタイルさ。     知ってたかい?この国には、もう“イッシー20(トウエンティー)”の     他にあたしとお前しか医者はいないそうだ。     それでなくてもお前は元々、ドラムでの鼻つまみ者だがね。      ヒルルク:おれは“医者狩り”などには捕まらねぇ・・・今に見てるがいい。      おれはいずれ医学でこの国を救ってみせる!! くれは:おやおや。国を滅ぼすの間違いだろうっ!! 村人B:橋の上に誰かいるぞ!!! くれは:じゃあな、また会おうヤブ医者。 ヒルルク:二度とゴメンだ追いはぎ医者め!! 村人A:うわ・・・ば爆弾だ!!離れろ!! N:ヒルルクは森を抜ける途中、血だらけで倒れる巨大な鹿の化け物をみつけた。 ヒルルク:誰だ・・・お前は。      銃で撃たれたのか?ひどい出血だ・・・早く血を止めにゃ      死んじまうぞ・・・・!! チョッパー:・・・・・!! ヒルルク:・・そう、にらむな大丈夫だ。      お前を助けてやる・・・!! <回想> 村人A:雪男だ撃ち殺せ!!! 村人B:犠牲者が出る前に殺すんだ!! ヒルルク:ところでお前は何者なんだ・・・人間にゃ見えねぇな・・・。       チョッパー:・・・。 ヒルルク:そうか最近噂の雪男ってのは・・・。 <回想> 村人A:逃がすな追い詰めろ!! ヒルルク:ちょうど・・そうだ3日前に骨折でも治しちまう傷薬を      作ったとこだ。お前は運がいい。 N:ヒルルクがバックを広げようとすると胸元から麻酔銃がこぼれ落ちた。 チョッパー:ウォォォォォォォォォォォォォォ!! ヒルルク:!!!? チョッパー:ウォォォォォォォォォォォォォォ!! ヒルルク:な!ぐおっ!! <回想> 村人B:殺せ!! 村人A:はっはっ!!当たったぞ!!      村人B:まだだ!!息の根を止めるんだ!! ヒルルク:・・・あの野郎が・・・フザけやがって・・・!!!      俺を誰だと思ってやがる・・・!!      おいっ!待てっ!!! チョッパー:!! N:ヒルルクが全裸で両手を広げてたっている。 ヒルルク:俺は決して、お前を撃たねェ!!! チョッパー:!!? チョッパー:・・・・。 ヒルルク:俺の名は、Dr.ヒルルク!!      医者だぁ!! N:ヒルルクの棲家。先ほどまで大きな鹿は小さくぬいぐるみのような姿になり   ぐるぐるに包帯を巻かれた状態で意識を取り戻し、布団から起き上がった。   周囲を見渡すとヒルルクは疲れて寝ている。   テーブルの上には、パンと水が置いてあり、ここ何日も食べ物を   口にしていなかった鹿は、そのパンに食らいついた。 チョッパー:ふぐ・・ふぐ・・ふぐ・・・。 N:なんでもない、ただのパンが美味しくて、やさしくて   涙があふれ出てきた。・・・それから3日過ぎた。 ヒルルク:なに!?喋れるのか!?      何で3日も黙ってた!!! チョッパー:・・・・喋ったら嫌われると思った。 ヒルルク:・・・・・・。 チョッパー:人間に話しかけたら、この前、撃たれた・・・・       トナカイが喋るのは変だから。 ヒルルク:喋れるからなんだ、チョッパー。      そんなこと自慢すんな。俺だって喋れるぜ。      お前よりはるかにベラベラとな。      ん!?うわっ!!逃げろ、チョッパー!! チョッパー:・・・? ヒルルク:爆発するぞぉ〜〜〜〜っ!! チョッパー:!!! N:ヒルルクの棲家が爆発。命からがら逃げ出したものの   破片が空を舞っている。 ヒルルク:・・・ふぅ。危なかった・・また失敗か!!      おい、大丈夫か? チョッパー:いてっ。 ヒルルク:エッエッ・・まぁ最初から大丈夫じゃねえか。      エッエッエッエッエッエ!! チョッパー:・・・・。 ヒルルク:エッエッエッエッエッ。 チョッパー:・・・おれ何でチョッパー? ヒルルク:トニートニー・チョッパーだ。      お前はトナカイで・・・木でも斬り倒せそうな立派な角を持ってる。      いい名前だろ。おれは、オメェをそう呼ぶぜ・・・!! チョッパー:・・・・チョッパー・・・・!!!       エッエッエッエッエッエッエッエッエッエッ!! N:ヒルルクは部屋を片付け、再び研究を再開した。 ヒルルク:お前も俺も・・追われる身ってわけだ。      お互い苦労するなァおい。はみ出し者ってのは!      ・・だが恨むなよ人間を・・・。      この国は病気なんだ。      国民もそう王も政府もそうだ・・・。      人の心は今、病んでいる。      “病気の国”の治療などできるもんかと人はいうだろうが      それは違う。      聞けチョッパー。こんな話がある!!      遠い西の国に一人・・・大泥棒がいた。 そいつは心臓に重い病を持っていたんだ・・・      だが幸運にも金はある・・・ありとあらゆる名医を尋ね回り      治療を受けたが誰一人その病気を治すことはできなかった。      “不治の病”ってやつだ。      ついに死を宣告され苛立ち荒れる男は通りかかったある山で      見たこともない息をのむほどの美しい風景を目にした・・・。      何を見たと思う。      桜だ!!      山いっぱいの鮮やかな桜を見た・・・!!!      ・・・そして再び医者にかかって男は驚く・・・      こう言われたからだ。      『まるで健康体だよ』と・・・治ったんだ!!      これが“奇跡”・・・!!      たしかに“奇跡”だ!!      だがそうじゃない!!これこそ立派な“医学”だ。      感想によって男の体に何らかの変化がおきた。      現に治らねぇと言われた病が治ったんだ。すごいだろう!? チョッパー:・・・!! ヒルルク:つまりこの世に治せねぇ病気なんてねぇのさ!!      おれのことを誰がどう言おうとも、おれはこの国を医者として救ってみせる!!      だから全ての病気におれは、この『ドクロ』をかかげたのだ!! チョッパー:ドクロ・・・。 ヒルルク:そうさコイツはな!!不可能をものともしねぇ“信念”の象徴だ!!      これをかかげ海賊のようにおれは戦う!! チョッパー:海賊って・・・!? ヒルルク:海にはそういう奴らがごまんといるお前はいつか海へ出ろよ!!      お前の悩みなどいかに小せぇことかよくわかる!! チョッパー:・・・本当に・・・? ヒルルク:ああ本当さ。お前の生まれた、この島なんて世界からみりゃこんなんだぜ。 チョッパー:本当!? ヒルルク:いやもっとだ!!こんなんだこの国なんか!! チョッパー:本当!? ヒルルク:本当だっ!! N:ヒルルクとチョッパーは雪の降る道を歩いている。 ヒルルク:おいチョッパー、お前は家で寝てろ!!      ケガ人なんだ傷口が開いても知らねぇぞ。 チョッパー:開かねぇんだ。 ヒルルク:開かねぇかどうかは傷口が決めるこった!!      ロベールで急患が出たらしい。      俺は行って助けてやらなきゃならねぇ。 チョッパー:手伝うさ。へへへへ・・・。 ヒルルク:・・・・知らねぇぞ・・。 N:村の入口にある橋にたどり着いたとき兵士たちの姿をみかけ身を隠す二人。 兵士A:どうした近頃守備隊の集まりが悪いな。 兵士B:それが・・・イッシー20の依頼で“キノコ狩り”に・・・。 兵士A:キノコ!? 兵士B:ええ、何でもこの国にある何とかってキノコが万病に効く薬に     なるとかならないとかで。 チョッパー:キノコ? ヒルルク:・・・こりゃ都合がいい、仕事のしやすい環境になってる。      いくぜチョッパー!!患者がおれを待ってる。 村人A:出てけヤブ医者ァ!!! ヒルルク:畜生トカゲの目玉は効くと思ったんだが・・・!! ヒルルク:ケチケチすんな!!金持ちめ!! 村人B:金を取られたヒルルクだぁ!! ヒルルク:守備隊だ!! チョッパー:ゼィ、ゼィ・・・。 ヒルルク:チョッパー、“おとり作戦”だ!! チョッパー:なにそれ? ヒルルク:お大事にっっっ!!! N:ヒルルクはチョッパーをおもいっきり蹴りあげる。 チョッパー:あああああぁぁぁぁぁ! N:ヒルルクの棲家。 ヒルルク:てめぇがついてくんなっつったのに、ついて来るからいけねぇんだろうが!! チョッパー:医者は患者を蹴るのかこのコノヤロー!!!       おれはもう少しで死ぬとこだったんだ!! ヒルルク:おーしねしね、どうせ一度死に損なった命だ!!このへっぽこ青っ鼻!! チョッパー:青っ鼻って言うな!!! ヒルルク:はぁ、はぁ、はぁ・・・。 チョッパー:ぜぇ、ぜぇ、ぜぇ・・・ドクター。 ヒルルク:ん? チョッパー:おれケンカしたの初めてだ・・・。 ヒルルク:・・・エッエッエッ・・・そうだろうな相手が必要だ・・・。      じゃ、こういうのも初めてだろ・・・。 N:ヒルルクはピンクの暖かそうな帽子をチョッパーに投げ渡した。 ヒルルク:プレゼントと・・・。 チョッパー:!! ヒルルク:仲直り・・・。      ・・・おォ何だ、また泣くのかヘッポコトナカイ。 チョッパー;ぐずっ・・・な、泣くかぁ!!! ヒルルク:ぬ、ぬあ巨大化は卑怯だぞ!!! N:それからヤブ医者とトナカイの不思議な共同生活が始まった。   研究を手伝ったり、村人に追われたり、それは二人にとって充実した   笑顔の絶えない日々であった。そんなある日のこと・・・。 ヒルルク:全治一年。      これでお前の治療は完了だ。チョッパー。 チョッパー:うん、ありがとうドクター。 ヒルルク:じゃ・・・達者でな・・・退院おめでとう。 チョッパー:え? ヒルルク:もうキズは完治したんだ・・・・!!      おれがおめぇの面倒を見る義理があんのか?       チョッパー:・・・・? ヒルルク:・・・オメェはこれから好きに生きるといい。      さぁ出てけ俺ぁ研究で忙しいんだ! N:そう言い放つとヒルルクはチョッパーを表に追い出した。冷たい雪がチョッパーに当たる。 チョッパー:ドクターァ!!おれもう絶対、迷惑かけねぇから!!       中に入れてくれよ!!       ドクター!!毎日肩もみするよ!!お茶もくむし掃除もするし!!       だからお願いだよ!!ここにおいて!!!ひっく・・・ひっく・・・       おれ友達なんかいないし!!行くとこなんてないんだよドクター!!!       ドクタァァーーー!!! ヒルルク:・・・。 チョッパー:ドクタァァァーー!!! N:ヒルルクがドアの前で立ち尽くしていると、外で大きな音がした。 ヒルルク:!?・・・チョッパー・・・!!? N:チョッパーは自ら頭を打ち、血を流していた。 チョッパー:みてドクター!!ケガした。 ヒルルク:・・・。 N:銃声が響きチョッパーをかする。それはヒルルクが撃ったものだった。 チョッパー:・・・・どうして?ドクター・・・!!! ヒルルク:行け!!海へでもどこへでも!!      二度とここへ帰って来るな!!! N:なおもチョッパーに向け銃を打ち続けるヒルルク。 チョッパー:ウわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん。 ヒルルク:ゆ、ゆるせチョッパー・・・・!! N:ドクターくれはの家。ヒルルクは血のついた自分の手を見つめていた。 ヒルルク:オレァ・・・死ぬだろ。 くれは:ヒッヒッヒッヒッ・・・ああ。     死ぬねぇ・・・。 ヒルルク:あと・・・3、4日ってことか? くれは:おや・・・ヤブ医者でも自分の寿命はわかるらしいね。 ヒルルク:だが何とか命を引き延ばせねぇか?      少しでいいんだお前の腕でよ。 くれは:まだ、この世に未練があるのかい?     とっとと、くたばっちまえばいいじゃないか楽になれる。     ヒッヒッヒッヒッ・・・。 ヒルルク:おれにはまだやり残した仕事があるんだ。      もう少しでいい・・・30年間続けた研究に形をつけたい。 くれは:・・・そんなに生きたきゃ。また遠い西の国へでも行ってきたらどうだい?     昔・・・大泥棒だったお前を救った“奇跡の桜”とやらを見にさ・・・。 ヒルルク:・・・・・・・・その必要はねぇ・・・この国に俺が・・・      桜を咲かせてみせる・・・!!! くれは:・・・はっ、バカだねぇここは年中極寒の冬島だよ。     桜なんて咲きゃしないさ!!! ヒルルク:咲く!!!      どうしようもねぇ悪党で・・・死にかけたおれが      生き長らえて・・・改心できた。      心の底から洗浄される様な奇跡の治療をおれは体験したんだぜ!!! そういう手段がこの世の中にはあるってことだ!!!      ・・・それを俺は、この生まれた土地で証明したい!!!      この世の全ての人間は救うことができるんだ!!!      あと少しだけ・・・時間が欲しい!!       くれは:往生際が悪いヤツだ・・・いいかい!?     お前がやろうとしてることは医学でもなんでもないし、     桜がこの国に咲いた所で人の体にゃ何も起きやしないのさ。 チョッパー:そ〜〜〜〜。 くれは:ところで・・・何だったんだい?     お前にくっついて来たあの妙なバケモノは。 ヒルルク:何・・・!?ついて来た・・!!? くれは:・・・ああ。お前がここへ来た時からずっと家の回りをウロウロしてたヤツさ     隠れてたつもりかねェ。 N:何か思い立ったチョッパーは雪の森を走りだした。 ヒルルク:・・・。 くれは:・・・それで。一年も一緒にいたアイツを・・・・突然、突き放したって     わけかい・・・。 ヒルルク:考えても見ろ・・・!!      やっと出会えた、おれはたった一人の仲間だぜ・・・      そいつが目の前でいきなり死んだとすりゃ。      あいつは一体どうなる・・・!!?      これ以上の絶望をあいつに味わわせろと!!?      おれ達ァ似てるのさ・・・だが・・・だから、      せめて最期に教えてやるんだ。      お前にだって何でもできるんだよってよ!!      俺が桜を咲かすことで!! くれは:・・・聞きな。お前は4日後の午後5時半に死ぬ・・・それが寿命さ。     お前の体に入った菌そのものは万能薬でもない限り消せやしないが     あたしなら3週間・・・お前の体をダマすことができる・・・!!     が、実に残念お前にはあたしに払う財産ってもんが。 ヒルルク:いいから治療しろ!! N:ヒルルクは銃をつきつけ叫んだ。 くれは:・・・。 ヒルルク:・・・・!! くれは:こんな麻酔銃で人が殺せるかい・・・     いいだろう治療してやるよ。     お前が医者としてこの国に一体何をもたらすのか     見届けさせてもらうよ・・・!!     ふぅ、たしかにそっくりだよお前達は・・・。     不器用なところがね・・・。 N:チョッパーは尚も一心不乱に森を走っていた。 チョッパー:はぁ、はぁ・・・。 N:ヒルルクの棲家にたどり着き熱心に本を見て何かを探す。   そしてまた森の中を駆け出していった。   チョッパーはヒルルクの言葉を思いだしていた。 ヒルルク(回想):行け!!!海へでもどこへでも!!         二度とここへ帰って来るな!! チョッパー:・・・。 ヒルルク(回想):おれは決して、お前を撃たねぇ!! N:少しして入れ替わりでヒルルクが棲家に戻ってきた。 ヒルルク:・・・。 ヒルルクM:悪ィことしたな・・・チョッパー・・・!! ヒルルク:せめておれの桜を見ろよ。      俺の最期の大仕事だ・・・!!のわぁっ!!      なあにっ!いつものことだ!! N:ヒルルクが実験を再開し、チョッパーは森を駆けていた・・・。   そんな中チョッパーは遭遇してしまった・・。   昔の仲間、トナカイの群れに・・。 チョッパー:・・・!! N:チョッパーが群れを通り過ぎようとした時、一頭の額にキズのはいったトナカイが   襲ってきた。 チョッパー:がっ・・・!! ヒルルク(回想):これをかかげ海賊の様におれは戦う!! N:チョッパーはヒルルクの言葉を思い出しながら力を振り絞りトナカイに向かっていった。 ヒルルク:ドクロの旗をかかげた男に不可能はねぇ!!      そう教えたよなチョッパー!!! 兵士A(回想):キノコ!? 兵士B(回想):ええ、何でもこの国にある何とかってキノコが万病に効く薬に        なるとかならないとかで。 チョッパー:あった。“アミウダケ”・・・あれだ!! N:やっと目的のキノコを見つけたのだが、それは崖をはさんだ向こう側にあった。 チョッパー:どうやって渡ろう・・・。 N:一週間後・・・ヒルルクの棲家。弱りきったヒルルクが壁にもたれかかっている。 ヒルルク:ゲホッゲホッゲホッ・・・。 N:誰かが尋ねてきたようだ。よろけながら扉を開けるとそこには・・・。 ヒルルク:チョッパー・・・お前・・・!!      その体・・・どうしたんだ・・・!! チョッパー:・・・ギノゴ・・・。 ヒルルク:・・そいつは・・・!!      ・・・“アミウダケ”じゃねぇか・・・お前それをおれのために・・・!!? チョッパー:生きててドクター・・・!!!       ・・・ドクター、おれ医者になりたいんだよ・・・!!!       医者のやり方・・・教えてくれよ・・・!!!        ヒルルク:!! チョッパー:トナカイでも・・・やれるかな・・・。 ヒルルク:やれるさチョッパー・・・お前はこんなに優しいじゃねぇか・・・!!! N:ヒルルクはキズだらけのチョッパーを強く抱きしめた・・・そして棲家にもどった。 チョッパー:“アミウダケのスープ”!!うまい? ヒルルク:つか〜〜〜っ!まずっ!!おえっ!! チョッパー:え〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!! ヒルルク:エッエッエッエッエッ・・・      “良薬”ってのはまずいもんなのさ、効いてる証拠だ。      力がみなぎってくるぜ・・・!!!      ありがとうよ!!!チョッパー!!! チョッパー:わぁぁぁい。       ドクターあれはなに?初めて見るよ? ヒルルク:ん?・・・お・・・おおお・・・・!!      これだ・・・・!!!この反応を待っていた!!!      30年間・・・待ち続けた・・・・!!!            やったぞチョッパー!!おれの研究は成功した!!      これでこの“冬島”に桜を咲かすことができる!!!      やったぞ〜〜〜〜〜〜っ!!      いいな、おれぁ出かけるがお前はじっと寝てるんだ。       今やオメェの方が重症になっちまったんだからな! チョッパー:・・・わかった。 ヒルルク:じゃあな行ってくる。 チョッパー:・・・・。 チョッパーM:・・・ドクター喜んでた・・・おれは人の病気を治したんだ!!! ヒルルク:おいチョッパー! チョッパー:!!! ヒルルク:お前はいい医者になれるぜ!!!      おれが保証する!!! チョッパー:・・・・! N:そういうとヒルルクは森の中に入っていった。 チョッパー:へへへへへへへ・・・。       えへへへへへへっ・・・。 ヒルルク:知ってるか、くれは。      今、国中大騒ぎになってやがるんだ。 くれは:ああ知ってるよ“イッシー20”が全員病気でぶっ倒れたって話だろ?     バカバカしい・・・ほっときゃいいんだよ、じきおさまる。 ヒルルク:・・・・。 くれは:・・・それで?お前は今日ここに何しに来たんだい。     わざわざ礼でも言いに来たかい。     まだ死ぬのは2週間ほど先だがね。 ヒルルク:実はおめぇに頼みがあって。 くれは:あーそりゃ断るね。 ヒルルク:まだ何も頼んでねぇぞ!!! くれは:お前の頼みごとはタダだから嫌いだよ。     ん?何だいこりゃあ・・・ただの塵じゃないのかい・・・。 ヒルルク:それがおれの30年!!やっと完成したおれの“医学”だ。      これで・・・この国の病んだ心も癒せる“万能薬”さ。 くれは:・・・・なるほどね、ごくろうさん。     ムダな30年を生きたね。それで・・・これを何であたしに? ヒルルク:塵の量が足りねぇ時間がねぇ、おれの代わりに桜を咲かせてほしい。 くれは:バカ言うんじゃないよ!!何であたしがそんな事しなきゃならないんだい!!? ヒルルク:それと!もう1つ!!!      チョッパーに医術を教えてやってほしい!!!      あいつは医者になりてぇんだ!!! くれは:いい加減にしな!!お前があたしにモノを頼める立場かい!!!? ヒルルク:あいつはトナカイだしバケモノだが。きっと立派な医者になれる!!!      心の優しいイイ奴なんだ・・・!!      命をはって俺に薬を作ってくれた・・・!!!      頼む、お前の手でアイツを医者にしてやってくれ!! くれは:出ていきな!!!あつかましいにも程があるよ!!!     お前のバカな研究と妙なペットの面倒をあたしが見るだって!!? ヒルルク:・・・・。 くれは:寿命が近いなんて理由で同情を引ける相手かどうかくらいわかってるはずだよ!!     出て行きな!!! ヒルルク:・・・ああ。わかっているさ・・・長いつきあいだ・・・      頼んだぜ・・・エッエッエッエッ・・・知ってんだオレァ・・・      人の命を救おうってんだ・・・医者はみんなイイ奴さ・・・。      チョッパーをよろしく頼む・・・。 くれは:『この国を救ってみせる』って     あそこまで吠えといてあと2週間ある命じゃ、何もできないってかい・・・?     お前らしくないじゃないか・・・Drヒルルク・・・諦めるなんて・・・。 ヒルルク(回想):時間がねぇ・・・!! くれは:・・・あのバカ・・・まさか・・・!! ヒルルク(回想):知ってるか今、国中大騒ぎになってやがるんだ。 N:くれはは急いでヒルルクの棲家に向かった。 くれは:ヒルルクはどこだいっ!!? チョッパー:う、うわ! くれは:逃げなくてもいいよ!!取って食いやしないさ!!     お前のことは知っている。ヒルルクはどこだい!? チョッパー:・・・ド・・・ドクターならずっと前に出かけたっきりだ。       元気になったから・・・たぶん町へ・・・。 くれは:元気になっただって?元気になんてなりゃしないさ。     あいつの病は今の医学じゃ治らないっ!!     お前もウチで聞いただろう。 チョッパー:だけど、みて!これを飲んだからもう大丈夫なんだ!! くれは:・・・それは・・・まさか“アミウダケ”・・・。 チョッパー:“万能薬”だからもう大丈夫なんだよ!!       おれはこれからドクターに医者を習うんだ!! くれは:・・・それでか・・・。     このぅ・・・バカトナカイッ!!! チョッパー:!!!? くれは:お前はっ!!なんてっ!!バカな!!ことをっ!! チョッパー:い・・・!!? くれは:そのキノコはね・・・トナカイ!!!“猛毒”だよ!!! チョッパー:・・・!? くれは:口にしたら一時間も生きちゃいられない・・・。 チョッパー:・・・そんなハズないさ。ちゃんと本で調べたんだ。       これは病気に勝てるキノコさ・・・!! ヒルルク(回想):不可能をものともしねぇ“信念”の象徴だ!!         だから全ての病気におれはこの『ドクロ』をかかげたのだ!! チョッパー:このキノコの絵のヨコにちゃんとドクロが置いてあったんだ!!! くれは:!! チョッパー:ドクターだって!!元気になったって言ってたよ!!       死ぬわけないさ!!お前はウソツキだ!!! ヒルルク(回想):あいつは心の優しいイイ奴なんだ。 くれは:お前の気持ちが嬉しかったのさ・・・     図鑑のドクロは・・・猛毒の印だ!! チョッパー:ウソだ!!! くれは:ウソじゃない・・・覚えときな!!     この世に万病に効く薬なんてモンはありゃしないんだ。     だから医者がいるんだよ!!!     いいかい優しいだけじゃ人は救えないんだ!!!     人の命を救いたきゃ、それなりの知識と医術を身につけな!!!     腕がなけりゃ誰一人救えないんだよ!!! チョッパー:・・・・。 くれは:・・・。 ヒルルク(回想):お前・・・それを・・・おれのために・・・? チョッパー:・・・・!!       ウァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!! くれは:バカだね・・・。     あいつはもう2度と、この家へは帰って来ないよ・・・。 チョッパー:!!! くれは:城を墓場と決めたようだ。 ドルトン:ワポル様、ヒルルクがやってきます!! ワポル:かかったか、まっはっはっはっっ!!     カバじゃなーい!? ドルトンM:本当にやって来ただと・・・正気か・・!?       なぜ・・!!!・・何のために・・・!!? 兵士A:来たぞ! 兵士B:Drヒルルクだ!!! くれは:待ちなトナカイっ!!何をする気だいっ!!? チョッパー:ウォォォォォォォォ!! ヒルルク:患者の居場所へ案内しろ!!!      “イッシー20”を救いに来た!! N:城に辿りついたヒルルクの前には大勢の兵士たちが銃を構えて立ちふさがっている。 ヒルルク:ゲホッ、ゲホッ、何だと・・・!!?      ハァ・・・ハァ・・・!!一体どういうことだ・・・ハァ!! ワポル:まっはっはっはっはっはっ、カバめっ!!まだ、わからんか!     こいつは罠さ!!!“イッシー20”はこの通りピンピンしてるぞ!!     お前はここへ死ににきたのさ、Drヒルルク!!! ヒルルク:・・・。 ドルトンM:なぜここへ来た・・・・・!! ワポル:さんざん逃げてくれやがって!!!     王様に逆らった罪は重いぞ!!     さぁ死刑執行だ。構えろ守備隊!!! N:兵士が標準をヒルルクに合わせ直した。 ヒルルク:・・・何だよ。・・・よかった・・・病人はいねぇのか・・・。 ドルトン:・・・!!? ヒルルク:オレァてっきり・・・国の一大事かと・・・      何だぁ・・・俺がだまされただけか・・・。 ワポル:ハッハ!!・・・本当に国の一大事なら、ヤブ医者になど来てほしうないわ!!     このカバ!!!     構うな!!反国者を撃ち殺せ!!! ヒルルク:やめておけ。      お前らにゃ、俺は殺せねぇよ。 ワポル:・・・なぁにぃ!!? ヒルルク:人はいつ死ぬとおもう・・・? チョッパー:ハァ・・・ハァッ・・・ドクダァー。 ヒルルク:心臓をピストルで撃ち抜かれた時・・・違う。      不治の病に犯された時・・・違う。      猛毒キノコのスープを・・・。 N:チョッパーが城へと続くロープを駆け上がる。 ヒルルク:飲んだ時・・・違う!!! くれは:・・・。 ヒルルク:・・・人に忘れられた時さ・・・!!! N:ヒルルクはバックから何やら酒のようなものを取り出し杯(さかずき)についだ。 ドルトン:!!!? ヒルルク:おれが消えても俺の夢はかなう、病んだ国民の心もきっと救えるさ・・・!!      なぜ泣くドルトン君。 ドルトン:・・・国も同じだろうか・・・。 ヒルルク:エッエッ・・受け継ぐ者がいりゃあな・・・。 ワポル:オイオイ、ドルトン!ぷはははは、てめぇ何泣いてやがる!! ヒルルク:もうすぐここにバケモノがやって来る。      俺の息子だ・・・手を出すな・・・。 ヒルルクM:安心しろよチョッパー、お前のキノコじゃ・・・俺は死なねぇ・・・。 ヒルルク:まったく!!!      いい人生だった!!!! ワポル:何のつもりだあの男・・!!? くれは:あばよヤブ医者。 ヒルルクM:ありがとよチョッパー・・・。 N:ヒルルクが杯のモノを飲んだ瞬間・・・・大爆発がおこった。   やっとたどり着いたチョッパーの足元にヒルルクの帽子が落ちた。 ワポル:まっはっはっはっはっはっはっ!!あのカバ!!     勝手に消し飛びやがった!!     ま〜〜っはっはっはっはっ!!!     とんだクレイジー野郎だぜ!ざま〜〜みろ、はっはっは〜〜〜!!! チョッパー:・・・!!! 兵士A:ワポル様あれを!!何かいます!!人じゃない!! 兵士B:バケモノだ!! 兵士A:撃ち殺せ!! ドルトン:ぐ!!!・・・待て!! N:怒りに任せて突っ込んできたチョッパーを牛に変化したドルトンが止める。 チョッパー:!!!!!! 兵士B:やっちまえドルトンさん!!! 兵士A:ぶっころせーーーっ!! ドルトン:ふう!ふう!!ここから立ち去れ!! チョッパー:!!? ドルトン:私にすら勝てないお前では・・・とうていあいつらには敵わない!!! チョッパー:うう・・・!! ドルトン:ヒルルクの死を笑ったことならば私が詫びる・・・!!!      及ばない力では君の犬死にだぞ!!!      もうこれ以上・・・この国の犠牲になるな!!!      ・・・頼む!! N:ドルトンが抑えた手を離すとチョッパーは駆けていった。 ワポル:逃がしたなドルトン!!!王の命令に背いたらどうなるか・・・。 ドルトン:黙れ!!!      まだわからないのか!!このイカれた国を救おうとした。      たった一人の男が今死んだのだ!!!      ほかの誰もが国を諦め絶望する中で・・・!!      こともあろうにそれを救おうとした優しい医者が      今死んだのだ!! ワポル:あんなカス医者が一人くたばったから何だ!!!     謝るなら今のうちだぞドルトン。 ドルトン:この国の辿るべき道は見えた・・・滅ぶことだ。 ワポル:なにぃ! ドルトン:我々が国民の上に立っている限り、国を立て直すことなど      できるものか!!!      この国の医療がどこまで発達しようとも・・・!!!      いつまで薬の研究を続けようとも            バカにつける薬はないのだから!!!! ワポル:・・・言わせておきゃーこのカバ野郎がっ!!!     貴様俺を本気で怒らせるとどうなっちまうのか知らんわけじゃあるまい。     なぁドルトン・・・。 チョッパー:医者を・・・教えてください・・!!! N:チョッパーがヒルルクの旗を一生懸命振りながら訴えている。 くれは:・・・。 チョッパー:おれが“万能薬”になるんだ!!       なんでも治せる医者になるんだ!!       ・・・だって・・・だって、この世に・・       治せない病気はないんだから!!! くれは:・・・ふぅ・・・ドクトリーヌと・・・そう呼びな・・。 ナレ:6年前の・・・ドラム王国で起こった物語・・・。 end